三流大学、理系学生が読んだ書物を語る

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理想の日々~工作少年の日々~

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 今回は、「工作少年の日々」について、感想を綴ります。

 

はじめに

 著者は、森博嗣さんです。「すべてがFになる」、「スカイ・クロラ」などで有名な方です。また、元工学研究者です。

 

森 博嗣は、日本の小説家、同人作家、工学博士。元名古屋大学助教授。ローマ字表記はMORI Hiroshi。妻はイラストレーターのささきすばる。近年は、清涼院流水が立ち上げたプロジェクト「The BBB」に参加し、英語版の著作を発表している。
出典:森博嗣 - Wikipedia

 

こんな本です~「工作少年の日々」~

 理工系ミステリィ作家らしい?生活(洗濯機の話やミニチュア鉄道など)から小説の創り方や人生観まで語られています。モノづくり中心のエッセイ集です。森博嗣ファンでない方でも楽しめるエッセイです。

 

モノづくり愛

 モノづくり愛溢れるエッセイ集で、森先生の日常が垣間見えます。洗濯機の話は、モノづくり好きな人には、あるある話だと思います。壊れているところを自分で直そうとして、分解するも元に戻すとき、なぜだか元に戻らない。しかもそれを何度か繰り返してしまう。モノづくりが好きだからこそ、この行為がやめられない。いつかは、しっかりと構造を理解して、自分で直せるときがくるかもしれない…、と思うから。

 

 森先生の面白いところは、このモノづくり愛溢れる話でも、きっちりと執筆時の情勢をサラッと語っているところです。普通の人だったら、洗濯機の話と社会性、一緒に語ろうとは思わないところに触れているのは、面白いです。

 

設計図とプロット

 「僕の小説の書き方」という章では、小説の書き方について、どのように創作しているか語られています。ここでも面白いことに、モノづくりを中心に本題に触れているところです。

 

 モノづくりでは、必ず設計図や製図のように枠を設けます。そして、各工程で人に任せて、効率化を図ります。誰に任せても同じように完成することを目指すからです。しかし、創作では、この枠を設ける行為がマイナスになると指摘しています。結論から言って、行き当たりばったりな創作をしているそうです。自分には、そちらの方が向いていると言います。

 

 そして、アートとデザインという言葉を用いて、非常に面白いことを言っています。

 

百点を超えるためにいは、設計図にはない発想が必要であり、そこに残された活路こそ、アート的視点だろう。

 

 経済的発展をして、機能的には満足のいくモノが溢れているからこそ、差別化を図るには、設計図にはない発想が必要です。これを指摘しているのです。アートとデザインについて、詳しい話は読んでいただきたいので、割愛しますが、この章が1番、森先生の思考と本質が語られているように感じます。

 

モノづくり的な思考

 小説を書くときの心情として、以下のように言ってます。

 

考えたものをだらだらと吐き出したら、もうできている。

 

 小説は何でもありだと言います。文体というものは気にしなくていいものだとも言ってます。だから、お金のかからないモノづくりだという認識だそうです。考え方次第で、成果物を生み出してしまうのは、すごいとしか言いようがないですね。小説を書き始めたきっかけが、モノづくりをするためというのが何とも面白いですね。

 

最後に

 モノづくりが中心の生活が、面白い作品を生み出していると思うと、すごいですね。また、アートとデザインの話は、思考の一端を垣間見えて非常にためになりました。

 

 是非、皆さんも手にお取り下さい。

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