三流大学、理系学生が読んだ書物を語る

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読書に面白さを~小説的思考のススメ~

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 今回は、『小説的思考のススメ』について、感想を綴ります。

 

はじめに

 著者は、阿部公彦先生です。英文学者で、他にも多くの著書を出版している方です。

 

阿部 公彦は、英文学者、東京大学准教授。Ph.D.。神奈川県横浜市出身。
出典:阿部公彦 - Wikipedia

 

こんな本です~「小説的思考のススメ」~

 小説を読むとき、「ルール」を意識することはありません。小説には、それぞれ読み方があります。ルールを見つけて読むことで、より小説を楽しめると阿部先生は言います。そのような、ルールを見つけるコツ、テクニックについて書かれているのが、この「小説的思考のススメ」です。

 

小説的思考って何?

  「小説的思考って何?」って思いますよね。小説的思考って創作活動に必要な要素なのかな…。最初、こんな風に思いました。
 当然、そんなことはないです(笑)

 

 では、何なのか、それは、小説を読む時のルールを見つける思考です。小説の大前提として、作者の意図(様々な嘘)があります。その意図は作者によって違うので、その意図をどの様に扱い、反応したらいいか。このようなルールを見つける力を『小説的思考』としています。

 

読み方は様々

  11作品が挙げられており、それぞれ丁寧な解説がなされています。共通している事は、「読み方を見つけるのは難しい」ということです。当然ですが、その作品のバックグラウンドを含めて行間を読む(埋めていく)ことが小説を読む上で必要不可欠です。

 

 その中で、それぞれの作品の読み方を毎回見つけていかなければならない。これが難しいのです。
 例えば、太宰治の『斜陽』においては、「語り手の丁寧さ」が読む上で重要だと言ってます。片やよしもとばななの『キッチン』においては「冒頭の<好き>から始まる理由」が重要だと言ってます。


 ここでは、これ以上挙げないですが、それぞれ小説には、ルールがあります。この様なルールを見つけるのが思いの外難しいです。そもそも、ルール自体意識して読むことが無いと思います。無意識のうちに解釈して一文一文を読むのが普通です。

 

 著者は、このルールを見つけて読むとより小説が楽しめると言ってます。ルールを見つけるのは、難しいが少し俯瞰して読むことがコツなのかなと思います。

 

小説を読む

  こうして思うと、「小説を読む」ことは非常に難しい行為だと言えます。ただ読むといっても、その中には、幾つもの思考を重ねている事が明白です。ルールを見つけ、意識して読んでこなかった人からすると、堅苦しさを覚えます。

 

 しかし、それは、今まで読んできた小説が、その様なルールを意識しなくても楽しめてしまう傑作だったのです。では、小説的思考で読むことでどうなるのか。それは、小説を俯瞰し、行間を読むことで、ただ楽しむという行為から、「考える」という行為が合わさるということです。

 

 楽しみながら考えるのか、考えながら楽しむのかは、人によると思います。ここで言いたいことは、「考える」事が小説をより深く楽しませてくれるということです。

 

 何気なく読むと、読み手に都合の良いよう解釈する事が多いものです。しかし、そこを注意して、読むことで何気ない一字一句の行間を楽しめます。なぜ、この表現になったのだろうかなどの小説への問いかけが始まります。これが、小説を楽しませてくれる要因なのだろうと思います。

 

最後に

 様々な解釈をできるからこそ小説は面白いと思います。それぞれの小説にあるルールを意識しながら読むことができれば、より楽しめます。

 


 是非、皆さんも手にお取り下さい。

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