三流大学、理系学生が読んだ書物を語る

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なるほどね~AI VS. 教科書が読めない子どもたち~

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 今回は、『AI VS. 教科書が読めない子どもたち』について、感想を綴ります。

 

簡略図

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意外な事実がそこにはある

 著者は、「東ロボくん」のプロデューサーです。元々、数理論理学の研究に従事されていたようです。数学のプロである著者は、一貫してAIには限界があるとおっしゃっています。世の中がこんなにも「AI」が人に取って代わるだろうという論調にくぎを刺しています。数学を修めている人だからこそ見えているものがあるのでしょうね。

 ただ、ホワイトカラーの職業、何割かはAIが取って代わると言われています。電気を学んでいる者として、この意見は同感です。というよりも、早く取って代わってもらいたいです。必要のないところに人員をさくのではなく、足りていない分野に割当ざるを得ない社会が来るべきです。

 

 東ロボくんは、我々、大半の学生よりも優秀です。偏差値的に言ったら私は、足元にも及ばないです。悲しいですが、事実です。AIは優秀です。何かを計算したり、記憶したりするのが人よりも優れています。このことから、大半の事務的な業務は取って代わられます。

 

 しかし、AIには、不得意な事もあります。それは、与えられた上でしか答えを出せないということです。例えば、相手(顧客)の感情を読み取り、何かを作る(要望に応える)など、できないということです。もっと言うと、めちゃくちゃ詳しく数値化してでしか、答えを導き出すことができないのです。著者は、国語や英語の問題で壁を越えられなかったとおっしゃっています。それは、常識的部分で対応できなかったことだそうです。最終的に150億文を学習させたらしいですが、センター試験の英語、英会話(対話)問題の正答率が上がらなかったそうです。

 他にも、様々な問題で限界があったようです。ここでは触れませんが、結局、言いたいことは、AIにも限度があるということです。当然ですね(笑)

 

 ここで、その限界を超えるために、人間がどのレベルまで解釈でき、問題を解決しているのか、一斉テストを行いました。そして、驚く事実が露呈します。それは、文章を理解することができていない学生が多いということです。それも教科書レベルの読み取りをです。

 詳しい数字は読んで、頂きたいのですが、この事には驚きました。「教科書を読めない子供たち」というのは、我々ゆとり世代のことでもあります。その様な子供たちが大人になり、社会に出ています、これは深刻な問題です。

 著者の新井紀子さんは、この事実を訴えています。どのようにしたら、AIに取って代わられることのない人材を育成できるのか問いかけています。

 

「AI」を議論する前に

 「AI」について、方法論などを議論する前に、考えなければならないことがあります。どのようにしたら、AIに取って代わられることのない人材になれるのかということです。考えるべき事は、深刻なレベルでの話です。この本を読んで、このように思いました。

 AIに負けない付加価値をどれだけ自分に加える事ができるのか、そして、それをどのように示していくのか、各々が考えていかないと、取り返しのつかない事になります。これから格差が広がっていく中で、厳しい現実がそこまで来ているように感じます。だからということではないですけど、今『何が求められているのか?』この本から学んだ事を自分なりに考えていきたいと思います。

 

印象的な言葉

 文中で最も印象的な言葉があります。

 「πやeは神様が作った特別の数だから」などと中世の数学者のようなことを言う人がいますが、多分そうではありません。単に、超越数を発見するための数学の言葉が圧倒的に足りていないのだと思われます。

 すごい世界ですよね。数学って修めることが最も困難な学問の内の一つです。その数学を説明するための言葉が見つからないのも仕方ないのかもしれませんね。高等ですからね(笑)

 

 今や、格差というのは、名の通る大学を卒業したかどうか、大卒か高卒かというようなことで生じるのではありません。教科書が読めるかどうか、そこで格差が生じています。

 私自身、しっかりと教科書が読めるように努力していきたいと思います。

 

 是非、皆さんも手にお取り下さい。

AI vs. 教科書が読めない子どもたち

AI vs. 教科書が読めない子どもたち

 

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