三流大学、理系学生が読んだ書物を語る

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大切な人を選ぶお話~青春ブタ野郎はハツコイ少女の夢を見ない~

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 今回は、『青春ブタ野郎はハツコイ少女の夢を見ない』について、感想を綴ります。(注意:ネタバレあり)
 青春ブタ野郎シリーズの七巻目です。

 

前回までのあらすじ

 牧之原翔子を救うには、自分が犠牲になるしかない。咲太はそう決断した。しかし、「大人」牧之原翔子が嘘を付いていた事を知り、本当の待ち合わせ場所に走り出す。急いでいる咲太が横断歩道を渡ろうとしたところに車が突っ込んでくる。轢かれると思っと瞬間、押される咲太。難を逃れた咲太だったが、振り返った先には、麻衣が倒れていた。

 

残酷な未来

 咲太は、残酷な未来を見ます。それは、麻衣が犠牲になった未来です。咲太は、そんな残酷な未来を過ごします。そんな中、大人「翔子」が咲太を救い、現在に戻るように促す。そして、麻衣を救う事を選択する。翔子を選ばない。「どちらも選ぶ」ことはできない。咲太は、後悔のない選択をします。それが正解なのかは、誰にも分からないけど…。
 前半は、暗いです。麻衣を失い、色褪せた世界で、咲太は生活しています。どれだけ咲太にとって、麻衣が大きかったか示されています。咲太の選択が最悪なものになったIFのお話です。

 

明るい未来のために

 現実に戻り、誰にも認知されない咲太。理央や佑真、にも認知されない。そんな中、救世主が現れます。我らが「古賀朋絵」です。やっと認知され、咲太は「麻衣」を助けるために動き出します。

「先輩、なにやってんの?」

頭の上から聞こえてきたのは知っている声。

そもそも咲太のことを『先輩』と呼ぶ女子は、この宇宙にひとりしかいない。

「古賀……」

 今回のMVP的活躍をした朋絵。「空気」に敏感な朋絵だからこそ、咲太の「存在」に気付いたのでしょう。キャラの配置がうまいですね(笑)

 

選んだのは、明るい未来

「咲太……翔子ちゃんはすごくがんばったのよ」
麻衣の手がそっと咲太の背中に触れる。
「……」
「っ!?」
「がんばった翔子ちゃんを、咲太が褒めてあげて」
「僕は……」
震える指を、赤い鉛筆に伸ばす。全然ちゃんと握れない。それでも、歯を食いしばって指に力を込める。無理やりにでも涙を引っ込めた。

  選んだ未来、選ばなかったもう一つの未来。その先はどちらも半分欠けていて、半分だけの幸せを掴んでいるであろう未来。決して、ハッピーエンドではないけど、花マルを付けることで、翔子の未来を肯定します。そして、物語は終幕。咲太と麻衣は、日常に戻っていきます。

 

蛇足的な感想

 綺麗な終わり方かと思いきや、疑問の残る終わり方をしました。何となく想像付きますね。咲太が最後にプリントを書き直したのでしょうね。良かったです。物語はハッピーエンドじゃないと、と個人的に思うので。


 これ以上はないってぐらい、上手く収束してます。さくら荘のような泥臭さはないけど、不思議系青春ものもいいですね。綺麗な物語ですね。ただ、やはり初恋は成就しないってことが分かりました(笑)

 

是非、皆さんも手にお取り下さい。

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