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【感想】十年後の僕らはまだ物語の終わりを知らない

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 今回は、『十年後の僕らはまだ物語の終わりを知らない』について、感想を綴ります。

 

はじめに

 著者は、尼野ゆたかさんです。第16回ファンタジア長編小説大賞佳作受賞作「ムーンスペル!!」でデビューされた方です。

 

あらすじ

母校で司書を務める孝平は追い詰められていた。図書室だよりに載せたとある本の書評が大炎上。廃刊の危機が迫っていたのだ。そこへ当の作家・香耶が学校を訪れ、なんと図書室だよりへ物語の執筆を買って出るという。「初恋の女の子も小説を書いていたんです」孝平が学生時代の想い出を口にするたび、香耶との間に甘酸っぱい空気が漂う。どこか懐かしさを纏った彼女の孝平は徐々に惹かれ始め―。図書室に隠された切なさが、きっと温かな涙に変わる。奇跡の巡りあいが綴られた青春恋愛物語。
出典:「BOOK」データベースより

 

初恋のお話

 主人公の篠島孝平は作家・小此木香耶の作品の書評を書きます。それをネットに載せたことで、炎上してしまいます。鎮静することを祈る孝平だったが、小此木香耶本人から「感銘を受けた」というメールをもらう。そして、あくる日学校を見学したいと頼まれます。

 

「中学校の頃のことなのに、よく覚えてますね」

 

 孝平は香耶に図書室での思い出を語ります。話を聞いた後の香耶の反応です。何か訳ありな反応をします。この反応は、物語が進行していくと分かります。結論から言って、二人は、旧知の間柄でした。孝平は香耶に恋をしていて、香耶は孝平に恋をしていました。そんな二人の恋の物語です。

 

お気に入りの場面

「驚いたでしょう?孝平くんはあの頃のままだけど、わたしは別人みたいになっちゃった。この街みたいに、変わっちゃった」

 

 物語の冒頭で、孝平が香耶を街案内しています、その中で、街が変わったというような説明をしています。街と孝平が変わらないままで、わたしこと香耶だけがコミュ障のような弱い人になってしまったと告げる場面です。

 

 この場面は、香耶=芽衣が、自分の気持ちを孝平にぶつけています。ストレートな表現が印象深く、好きな場面です。

 

あとがき

 あとがきにおいて、尼野ゆたかさんが過去の後悔に対して、

 

読んでくださった方に素敵な明日がやって来るような、そんな小説にこの「十年後の僕らはまだ物語の終わりを知らない」がなっていればと思います。

 と、言ってます。これから読み取れることは、過去よりも今を意識しようと言っていると受け取れます。この物語のテーマが「現在」にあることが分かります。「初恋」と矛盾するように感じましたが、孝平と芽衣、佳子の三人が現在と向き合う物語なのだろうと解釈しました。

 

蛇足的な感想

 初恋と三角関係という、ドラマチックな物語です。特にメッセージ性があるとは言えないですが、楽しめる内容になっています。

 

 是非、皆さんも手にお取り下さい。

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