三流大学、理系学生が読んだ書物を語る

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そのひとときをもう一度~三日間の幸福~

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 今回は、『三日間の幸福』について、感想を綴ります。(注意:ネタバレあり)

 

はじめに

 著者は、三秋縋さんです。「恋する寄生虫」、「君が電話をかけていた場所」、「僕が電話をかけていた場所」などで有名な方です。

 

三秋 縋は、日本の小説家。岩手県出身。
出典:三秋縋 - Wikipedia

 

あらすじ

 どうやら俺の人生には、今後何一つ良いことがないらしい。寿命の“査定価格”が一年につき一万円ぽっちだったのは、そのせいだ。
 未来を悲観して寿命の大半を売り払った俺は、僅かな余生で幸せを掴もうと躍起になるが、何をやっても裏目に出る。空回りし続ける俺を醒めた目で見つめる、「監視員」のミヤギ。彼女の為に生きることこそが一番の幸せなのだと気付く頃には、俺の寿命は二か月を切っていた。
 出典:三日間の幸福 | メディアワークス文庫公式サイト

 

主人公は過去志向

 過去志向の主人公は、大学生になってまでも小学生の時に好きだった人についてああでもない、こうでもないと考えているだけの毎日。自分の命に価値を見出せず、寿命を買い取ってもらう。何十億もの価値がきっとあると思っていたが、結果は三十万だった。次の日から監視員のミヤギと生活し始める。そんな感じで物語は進行していきます。 

 

自分の価値は30万

 主人公は、自分の命が“三十万”だと言われる。そして、自暴自棄になる。プライドが高いと尚更。もし自分の寿命の値段がしれたら、その付けられた値段以上の価値を生きているうちにつけさせたいと思う。誰かの決めた基準で付けられた値段なんてあてにならないし(笑)

 

 全体としては、重たくて暗い話というよりも、自分の価値って何だろう的なことを考えてしまう哲学的な感じだった。あれです、気分が沈んでいる時に読んだら、より気分が落ちます。人間失格やこころの類です。

 

最後はハッピーエンド?

 物語の最後は、ミヤギの借金がなくなり、実在することが、周りの人に認識されます。残りの3日間を二人で過ごすのでしょうけど、ハッピーエンドだったのでしょうか?

 

 ミヤギに助けられて、大事な人だということは理解できます。寿命を売ることで、ミヤギを助けます。ミヤギも3日間を残して、寿命を売ります。

 

「あなたと同じです。全部売っちゃいました。あと三日しか、残ってません」

 

 クスノキとミヤギは、一緒に最後の三日間を過ごすのだろうところで物語は終わります。「三日間の幸福」というタイトルは、最後の4行を意味していたのです。そういう意味では、ハッピーエンドな終わり方なのかもしれないです。

 

蛇足的な感想

 この物語は、好き嫌いがハッキリとします。ライトノベルには暗い話、明るい話、様々ありますが、これは暗い話です。どん底の主人公が死んでいく物語です。死に方として相応しい死に方を模索していく物語とも言い換えられると思います。

 

 スッキリとした、ライトノベルらしい、青春小説が読みたい場合は、これを読まない方がいいです。間違いなく憂鬱になることでしょう。(笑)

 

 それでも構わない方は、是非、手にお取り下さい。

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