三流大学、理系学生が読んだ書物を語る

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小説、映画、マンガ…etcについて徒然なるままに感想を書いてます。

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一体、自分って?~何者~

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 今回は、朝井リョウの『何者』について、感想を綴ります。 

 

映画『何者』

 映画「何者」は、まるで舞台のような描写が多いです。特に、拓人が舞台袖から走り出すところは、拓人の心情そのものを表しています。この描写はとても印象的です。

 

 SNSでは、ボロクソに言っていた拓人が、現実でも本音を言うように決意した感じがしました。同時にSNSって怖いって思いました。今自分がこうしてココに綴っていることも含めて(笑)

 

 何はともあれ、拓人の観察力には脱藩しました。あそこまで、人を分析できるのはある意味凄いですよ。

 自分の場合、そこまで他人に興味がわかないのでじっくりと観察する事がないなぁと思いました。人のことを観察をして批判することに少し憧れたりもするのです。でも、やっぱり、呟くぐらいなら直接本人に言った方がいいと思いますけど。その辺の気持ちは拓人に同意しかねます。

 

 原作を読んでいないが(後日読みました)、有村架純山田孝之が役にはまっているように思いました。二人のセリフが妙に心地よかったです。スッカとするようなセリフの数々が響きました。

 

何者

何者

 

 

書籍『何者』

 書籍と映画、さほど内容に違いはないです。ただ、やはり、細かい心情は書籍でないと分からないですね。映画は、映画で面白かったのですが、書籍もめちゃくちゃ面白いです。

  

 書籍『何者』でも、拓人のいやらしさが存分に発揮されています(笑)

 

お気に入りの場面

 瑞月が言った

 十点でも二十点でもいいから、自分の中から出しなよ。自分の中から出さないと、点数さえつかないんだから。 

 

 これは、一番響きました。

 実際に就活をして、この『何でもいいから、自分をアピールするモノ』を出さないと、大手企業は通らないことを身をもって知りましたから。瑞月の言葉はきれいですよね。陰りのない力強い言葉です。この一言を受け止められるか、受け止められないかでは、大きいと思います。

 

 この『何者』の登場人物の中で、一番大人に近い存在の瑞月が発した言葉。

 ほんとに、重く感じました。これは、就職活動を行った人にしか伝わらないのかもしれないですが。

 

 帰りのタクシーで光太郎が放った言葉

「俺さ、就活って内定出たら終わりって思ってたけど、ちげえわ」

 メーターの料金がまた上がる。

「俺、今日会った同期と、今日行った会社で、ずっとずっと働くんだよな」

 光太郎はもう、返事を求めていないように見えた。

「就活は終わったけど、俺、何にもなれた気がしねえ」

  

 これは、耳が痛いです。光太郎の「何にもなれた気がしねえ」って、誰しも共感しますよね。少なくとも私は感じるものがあります。

 

最後に

 ひねくれものの拓人は、読んでいていたたまれないです。一番冷静で観察力があるのに、自己分析は全く出来ていない。誰か教えてあげなよって言いたくなります。(苦笑)

 

 友達の光太郎と一緒にWEB試験受けたり、愉快な仲間たちと就活会議したり、一見どこにでもいる学生ですが、拓人が深い闇を抱えていて、人は見かけによらないなぁと思います。

 

 人それぞれ、躓くところは違い、そんなところで躓く?って他人から思われたり、逆に、自分が思ったりするもの。

 ただ、そこで人柄が出る、ネチネチ影口を言う人や非難する人、相談に乗ってくれる人や自分から相談に乗って出る人、結局、『自分から』誰かのために行動する人が大企業に内定を貰っていたりすることを身をもって学びました。

 

 就活を通して学ぶことは多くありました。

 拓人もきっと就活を通して成長したことだろう。

 

 最後の拓人が面接を終えて

だけど、落ちても、たぶん、大丈夫だ。不思議と、そう思えた。

  

 

  是非、皆さんも手にお取り下さい。

何者 (新潮文庫)

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