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えっ、枕って生き物なの?~生物学者山田博士の聖域~

文学

 例えば、知人の結婚式で隣席の人が、枕に向かって「どうだい、楽しんでいるかい」なんて言っていたら何を感じるだろうか?

 つい先ほどまでは、お互いの名前について軽く花を咲かせていた相手が、バックから枕を取り出してだ。

 もちろん、アブナイ人のレッテル貼り、関わらないようにするだろう。そして、綺麗さっぱりと記憶から消去する。

 最初の出会い方は、一つでも間違ったら、初対面で終わり、次に会う機会は一生来ない。しかし、奇跡的にも鈴木沙夜梨と山田博士は、再び会う約束をして、順調に距離を縮めていく。山田博士は、生物学者であり、童〇である。いつもツルム同僚の仲間たちも同じような連中ばかり。そこで、鈴木氏と山田氏の仲を良く思わない、悪友たち。

 初デートにて、悪友たちに邪魔される。しかし、ふたりはプリキュア無事に恋人同士になる。そんな、ふたり+枕の物語である。

 

 この本を電車で読んでいたが、思わず吹き出してしまった場面がある。

 披露宴を終えて、山田氏が連絡先を交換したことがあやふやなまま別れてしまい、酒に酔っていた、その時メールの着信を確認した場面、

FROM:北条君 

TO:山田博士

 前略。大変エロティックなDVDを入手しました。こいつはモノホンです。真田宅にて本日上映会を行います。午後十時に万難を排して集合されたし。かしこ。

 

「いらねぇよ!」

僕は携帯に向かって怒鳴った。直後に別のメールが届いた。

 

FROM:Sayori.suzuki@xxx 

TO:山田博士

  鈴木です。今日は有難うございました。楽しかったです。

 

 僕はガッツポーズをして、その場でピョンと飛び跳ねた。 

 

 不意打ち過ぎて、笑ってしまった。悪友たちが個性豊か過ぎ。おまけに、出会い系で待ち合わせ場所に柴犬を連れていき、待っていると北条君がコンビニから裾の短いスーツで現れて、同じ『詩織』を待つ場面も笑ってしまう。

 

 

 読んでいて、SFちっくなところもあったりと、森見登美彦先生に作風が似ていると思った。現役の研究者が書いた小説ということもあって、生物に関するネタが散りばめられていて、それも楽しさを際立たせる。続編があるみたいだから、絶対に読む(笑)

 あと、二、三冊は出てほしいな……

 

生物学者山田博士の聖域<生物学者山田博士> (角川文庫)