三流大学、理系学生が読んだ書物を語る

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声が聞きたくて~君の色に耳をすまして~

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 今回は、『君の色に耳をすまして』について、感想を綴ります。(注意:ネタバレあり)

 

はじめに

 著者は、小川晴央さんです。「僕が七不思議になったわけ」、「やり残した、さよならの宿題」などで有名な方です。

 

小川 晴央は、日本の小説家。静岡県出身、大阪府在住。
出典:小川晴央 - Wikipedia

 

あらすじ

芸大に通う杉野誠一は“声の色”で見たくもない人の感情や嘘が見えてしまうことに悩まされていた。そんな彼がキャンパスで出会ったのは声を失った透明な女の子。『川澄真冬』と書かれたメモ帳で自己紹介をした彼女は、誠一の映像制作を手伝いたいと申し出た。不審がる誠一の前に、古ぼけたカセットが置かれる。そして、彼女は手伝う条件として、テープに録音された姉の歌を映像に入れて欲しいという。 声の色を気にせず話せる彼女に惹かれ、生まれて初めて心の色を知りたいと願う誠一。だけど、彼女の透明な色には秘密があって――。
 出典:「BOOK」データベースより

 

声の色が見える大学生

 毎日、講義を終えて、サークルに精を出すわけでもなく、バイトが忙しいと言うでもなく、何か没頭している趣味があるわけでもない。つまり、時間を持て余している学生、杉野誠一がいる。そこに、先輩の紹介で、ある女子大生と出会う。彼女は声を出せない。筆談で自己紹介されたことに、驚きもするが、不思議と違和感を感じない。

 

 普段、声の色から感情や嘘をイヤというほど見える。そんなうんざりしていた時、川澄真冬に課題の映像制作を手伝いたいと提案されます。彼女からは透明な色が出ていた。渋々と、制作の協力を了解する。時間を共にすればするほど、彼女へ惹かれていく。

 

 透明な色の秘密は過去に、姉が亡くなったことと関係していた事を知る。そして、その姉のことでひと悶着して、喧嘩別れする。しかし、最後は結ばれてハッピーエンド。

 

話さない川澄真冬

 過去に姉の事件を目撃して以来、声を失った川澄真冬は、過去と決別するために映画製作を手伝い始めました。話せないのではなくて、話さない真冬は、誠一を上手く利用して、姉のカセットテープと偽って、自分の声を録音していました。

 

 姉の事件で傷つけられた名誉のために、自分の声をカセットテープに入れて、暴露するつもりだったのですが、誠一が見破って、踏みとどまります。真冬は、事件を起こした男に、姉の家を教えてしまったことを悔いてました。

 

物語のきっかけ、我妻先輩

 主人公の杉野誠一とは対照的な性格で、合コンでは、自ら嫌われに行く無鉄砲さでいて、何か制作をやる時は、頼りがいのある兄貴的人物。そして、『僕と彼女の繋がり』を紡ぐ糸の役割。我妻先輩なくして出会いはなかった。大学を中退して、音信不通の後輩に、突然、『父親の会社のPRを作るから、手伝え』とのメールを送る。

 

 テキトーな性格でもあるけれども、こんな先輩がいたら、それはそれで楽しい学生時代を過ごせるように思う。と言っても、何度も振り回されたくないですけど。(笑)

 

 我妻先輩って結局良い人ですよね。物語において、ヒロインと出会うきっかけを作ってくれた人でもありますし。ただ、巻き込まれないよりも、巻き込まれた方が、楽しいと思ってしまうのが私なので、我妻先輩って良い人だと思うのですがね。

 

 意外と大学での先輩って結構、付き合いがあるものですよね。サークルだけの付き合いだけでなく、就活や研究室(理系だけかもしれないですが)で結構お世話になるものです。

 

蛇足的な感想

 大学が舞台の物語は、メディアワークス文庫ではマイノリティーだと思います。他には、入間人間の「ぼっちーズ」ぐらいしかない気がします。他にもあるんですかね?
 舞台が大学ということもあって、大学時代に読むと楽しめると思います。大学生の方は是非、読んでみてください。

 

 是非、皆さんも手にお取り下さい。

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