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蹴られたい背中~蹴りたい背中~

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 今回は、『蹴りたい背中』について、感想を綴ります。

 

はじめに

 著者は、綿矢りささんです。「インストール」「勝手にふるえてろ」などで有名な方です。

 

綿矢 りさ(わたや りさ、1984年2月1日 - )は、日本の小説家。京都府京都市生まれ。京都市立紫野高等学校在学中に「インストール」で第38回文藝賞受賞。
出典:綿矢りさ - Wikipedia

 

あらすじ

長谷川初実(ハツ)は、陸上部に所属する高校1年生。気の合う者同士でグループを作りお互いに馴染もうとするクラスメートたちに、初実は溶け込むことができないでいた。そんな彼女が、同じくクラスの余り者である、にな川と出会う。彼は、自分が読んでいるファッション雑誌のモデルに、初実が会ったことがあるという話に強い関心を寄せる。にな川の自宅で、初実は中学校時代に奇妙な出会いをした女性がオリチャンという人気モデルであることを知る。にな川はオリチャンにまつわる情報を収集する熱狂的なオリチャンファンであった。
出典:蹴りたい背中

 

背中を蹴られれること

 なかなか背中を異性に蹴られことはないだろう。しかもそれが愛情たっぷりと詰まった蹴りをだ。これは個人的な思いですが、私たち男は魅力的な女性から愛情表現をされた時、筆舌し難い思いがこみ上げてきます。それが、例え、背中を蹴られたとしてもです。

 

 にな川が長谷川さんに蹴られたみたいに、私も!とは思わないけれど…、本当に思わないけれども、一度も経験しないのは何か損をした気分になります。愛情表現の下手さ加減が何とも絶妙である。長谷川さんみたいな人と付き合うのは大変そうだけど…。でも好き(笑)

 

 周りの集団に馴染めない長谷川さんにモデルのファンにしてオタクのにな川、この二人が織りなす物語は冴えない者同士を慰めるでもなければ同族嫌悪を抱くでもない。と勝手に解釈しています。単なる似たもの同士の共存のような気もしますけど。

 

「そうじゃなくて、なんていうの、私って、あんまりクラスメイトとしゃべらないけれど、それは”人見知りをしている”んじゃなくて、”人を選んでる”んだよね。」
「うんうん。」
「で、私、人間の趣味いい方だから、幼稚な人としゃべるのはつらい。」
「”人間の趣味がいい”って、最高に悪趣味じゃない?」
鼻声で屈託なく言われて、むっとなる。
「でもおれ分かるな、そういうの。というか、そういうことを言ってしまう気持ちが分かる。ような気がする。」

 長谷川さんがにな川のお見舞いでにな川家へ出向いた一場面からそう感じました。

 

 長谷川さんはめちゃくちゃ面倒な性格だけれども、「蹴りたい背中」で一番好きな人物です。にな川はオタクっぽい幼稚な印象が自分を見ているようで好きになれないです。(苦笑)

 

 長谷川さんの友達で小倉絹代は「みんな」とか「集団」を意識した生き方がイヤです。結局、ぼっちがイタイ方向に向いているような人が好きなのかもしれないです。愛情表現が下手な人を可愛いと思えてしまう(小説の中では何でも可愛いく感じます)。

 

蛇足的な感想

 著者、綿矢りさ先生が18、19の時にこれを書いたことには驚きです。すごいの一言しか言いようがないですね。『インストール』も読みましたが、やはり十代で書いた物語だと思うとすごいの一言しか出てこないです。

 

 是非、皆さんも手にお取り下さい。

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