三流大学、理系学生が読んだ書物を語る

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猫愛は誰にも負けない?~猫と庄造と二人のをんな~

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 今回は、谷崎潤一郎の短編『猫と庄造と二人のをんな』について、感想を綴ります。

 

いつの時代も猫可愛がりは普遍です

 誰よりも猫を愛してやまない庄造とその妻、前妻の心情を面白く綴った小説、谷崎潤一郎の短編『猫と庄造と二人のをんな』を最近読みました。

 

 猫にまつわる慣用句には、猫をかぶる、窮鼠猫をかむ、猫の手も借りたいetc…

 その中でも、「猫可愛がり」という言葉は、庄造のためにあるような気がしてしまうほどです。分かりやすく言うと、「猫可愛がり」が騒動になる物語、と一言で説明できてしまうほどの物語です。

 

 それほどの大きな愛情を猫に持っている庄造は、結婚して間もない妻そっちぬけで猫と戯れるあまり、遂に妻から「私と猫どっちが大事なの?」と二者択一を迫られる。個人的には「私と○○のどっちが大事なのよ」と一度は言ってもらいたいものですが、庄造はめんどくさがりながらもどちらも大事だと告げる。その回答じゃあ引き下がらない妻は庄造を猫のごとくひっかき回します(笑)

 

 さすがの庄造も観念して、猫を手放すことにする。そして猫は前妻へ、でも庄造の愛情は日に日に増します。ついには、結局猫に会いに行きます。もちろん、それをよく思わない人もいて…。こんな感じで物語が進行していきます。

 

愛情と哀情

 大事なことなのでもう一度、「私と○○のどっちが大事なのよ」と言われてみたいものです。いや、あくまでも好奇心であって、願望ではないです。ほんと、彼女にこれを求めているわけではありませんから、悪しからず。

 

 それはそうと、この現代に、猫に嫉妬して夫をひっかく嫉妬深い女性っていますかね?

 まぁ、でもひっかく人はいなくても、現代だとひっぱたく方はいそうですね…。想像しただけでコワいものです。

 

 それはさておき、庄造の往生気の悪さには、流石に苦笑い。最後の方は、猫に会うために色々と理由をこじ付けての逢引きには、愛が重すぎると思ってしまいました。動物を飼ったこのない自分としては、理解できない事が多々ありますが、いくら十数年の艱難辛苦を共にしてもここまで猫に依存するのはちょっとと思います。

 

 新婚でこの生活は、相方からするといささか辛いですよね。(苦笑)

 

 しかし、庄造の印象は悪いものばかりでもないです。二者択一を迫られたことを同居している母親に告げ口し、母親に肩を持ってもらえないで拗ねます。これは、子供のようで微笑ましいものです。子供がそのまま大人になったという感じです。

 

 現代でもこの様な大人はいますよね。一途な気持ちが別次元に向いている事が難点ですが、このベクトルが本来向くべきところに向けば、きっと扱いやすい人ですからね。それはそうと、私はこんな大人にはなりたいと思わないですがね(笑)

 

 

 是非、皆さんも手にお取り下さい。

 

猫と庄造と二人のをんな (中公文庫)

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