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【感想】中原中也詩集(新潮文庫)

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 今回は、『中原中也詩集』について、感想を綴ります。

 

はじめに

 中原中也詩集(新潮文庫)は、吉田煕生編です。

 

中原 中也は、日本の詩人、歌人、翻訳家。旧姓は柏村。 代々開業医である名家の長男として生まれ、跡取りとして医者になることを期待され、小学校時代は学業成績もよく神童とも呼ばれたが、8歳の時、弟がかぜにより病死したことで文学に目覚めた。中也は30歳の若さで死去したが、生涯で350篇以上の詩を残した。
出典:中原中也 - Wikipedia

 

哀しさが見え隠れしている詩

 

 詩集から哀しさが伝わってきます。特に、

暗き空へと消え行きぬ

 わが若き日を燃えし希望は。

 

 目次でタイトルに惹きつけられて読みましたが、自分自身がテンションの低い時にこんなに挫折感が漂う詩を読むと精神が病みますね。(笑)

 また、若くして亡くなられたのに、"若き日"なんて言葉を使うあたり、なんとも言えませんね。どこか達観している感じがします。

 

夏の夜の星の如くは今もなほ

 遐きみ空に見え隠る、今もなほ。

 

 ここまでは、まだ平静に読めましたが……

 

暗き空へと消えゆきぬ

 わが若き日のは希望は。

 

 夢も消えちゃったか!?

 希望もなくなり、夢もなくしてしまうとは何と恐ろしいこと。ただ、悲壮感だけが漂ってないところが、凄いと思います。個人的には、この詩から『哀しさ』と『悲しさ』の両方を受け取りました。筆舌できない、繊細な心情を表現しているのだと感じます。

 

中原中也のカッコよさ

 中原中也のカッコ良さは、見てくれもそうですが、決して、何人たりとも真似できない独特の詩にあります。ただ、ただ、中原中也すごい!ってなる、言葉のチョイス(の良さ)です。センスが良いと一言で片付けてしまえばそれまでですが、感情を適切な言葉で表現していると感じます。

 

 だいたい、決められた文字数で、表現すること自体がすごいことだと思います。 私のように、だらだらと感想を書いているのではなく、的確に表現することが物凄く高等な技法だと思います。素直に憧れます。 

 

詩から溢れ出る想い

 最後まで読み、決して後味が良いとは言えません。しかし、飾らない言葉だからこそ、1回、目にしただけで頭から離れないインパクトがあると感心しました。それは、この詩だけではなく、中原中也の詩集全体にも言えることです。

 

 読書をしていて、この「言葉の影響」をいつもすごいと感じます。何気ない1文、1文であったとしてもふと思い出す時には、それは、自分の中で「筆舌しがたい何か」に昇華しています。この「何か」を感じる時がとても好きです。食事をしているとき、電車を降りて目的地まで歩いているとき、シャワーを浴びているとき…、挙げたらきりがないないですね、要は、何気ないとき。

 

 たかが詩、されど詩、様々なことに思い巡らされます。

 

蛇足的な感想

 美しくも儚い言葉が多く、心に残るものが多いです。疲れたときに読みたくなる一冊です。心がどこからともなく温かくなります。

 

 是非、皆さんも手にお取り下さい。

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