三流大学、理系学生が読んだ書物を語る

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小説、映画、マンガ…etcについて徒然なるままに感想を書いてます。

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ある詩人がおりまして~山羊の歌~

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 今回は、たまたま目についた詩、中原中也詩集について、感想を綴ります。

 

哀しさが見え隠れしている詩

 

 詩集から哀しさが伝わってきます。特に、

暗き空へと消え行きぬ

 わが若き日を燃えし希望は。

 

 目次でタイトルに惹きつけられて読みましたが、自分自身がテンションの低い時にこんなに挫折感が漂う詩を読むと精神が病みますね。(笑)

 また、若くして亡くなられたのに、"若き日"なんて言葉を使うあたり、なんとも言えませんね。どこか達観している感じがします。

 

夏の夜の星の如くは今もなほ

 遐きみ空に見え隠る、今もなほ。

 

 ここまでは、まだ平静に読めましたが……

 

暗き空へと消えゆきぬ

 わが若き日のは希望は。

 

 夢も消えちゃったか!?

 希望もなくなり、夢もなくしてしまうとは何と恐ろしいこと。ただ、悲壮感だけが漂ってないところが、凄いと思います。個人的には、この詩から『哀しさ』と『悲しさ』の両方を受け取りました。筆舌できない、繊細な心情を表現しているのだと感じます。

 

 

中原中也のカッコよさ

 

 中原中也のカッコ良さは、見てくれもそうですが、決して、何人たりとも真似できない独特の詩だと思います。ただ、ただ、中原中也すごい!ってなる、言葉のチョイス(の良さ)です。センスが良いと一言で片付けてしまえばそれまでですが、感情を適切な言葉で表現していると感じます。

 

 だいたい、決められた文字数で、表現すること自体がすごいことだと思います。 私のように、だらだらと感想を書いているのではなく、的確に表現することが物凄く高等な技法だと思います。素直に憧れます。

 

 

詩から溢れ出る想い

 

 最後まで読み、決して後味が良いとは言えません。しかし、飾らない言葉だからこそ、1回、目にしただけで頭から離れないインパクトがあると感心しました。それは、この詩だけではなく、中原中也の詩集全体にも言えることです。

 

 読書をしていて、この「言葉の影響」をいつもすごいと感じます。何気ない1文、1文であったとしてもふと思い出す時には、それは、自分の中で「筆舌しがたい何か」に昇華しています。この「何か」を感じる時がとても好きです。食事をしているとき、電車を降りて目的地まで歩いているとき、シャワーを浴びているとき…、挙げたらきりがないないですね、要は、何気ないとき。

 

 本音を言ってしまえば、教養を身につけるための側面、手段としての側面があることも否定できませんが、結局、この「何か」を感じたくて読書をしています。

 少し熱くなりましたが、もっと読書をする人(この気持ちを分かる人)が増えますように(笑)

 

 

 是非、皆さんも手にお取り下さい。

中原中也詩集 (新潮文庫)

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