三流大学、理系学生が読んだ書物を語る

三流大学、理系学生が読んだ書物を語る

小説、映画、マンガ…etcについて徒然なるままに感想を書いてます。

何でもアリ~すばらしい新世界~

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 今回は、オルダス・ハクスリーの小説です。英語で「Breave New World」です。

 このタイトルは、シェイクスピアの「テンペスト」(読書済み)の超有名なフレーズからとられています。

 

 

 「テンペスト」を読んでからこの本を知り、読みました。

 うん、テンペストの登場人物のような魔法や呪文を使う描写は一切ありませんでした。

 

 

 内容ですが、

 世界政府なるものが人間を工場で生産・管理(教育)している世界。そこで育てられた大人たちが形成している社会(階級社会)では、フリーセックスの奨励、政府公認でクスリが配給されている。そこで、工場生まれでない未開社会生まれのジョンが「こんな社会はおかしい」と唱え始めて…

 

 

 ざっくりとですが、こんな感じです。倫理という言葉からは無縁の世界。

 この本を読み終えてですが、こんな世界・社会に生まれなくてよかったと心底思いました。なんだこの世界!?の連発でした……

 一番、度肝を抜かれたのは、「マザー・グース」のもじりであまりにも下品な詩でした……

 

 

 次に、工場にて所長と見学中の生徒たちとの会話より所長の一言から

「それはそのとおり。しかし、歴史的事実というのはたいてい不快なものなのだよ」

 所長ひねくれ者(笑)

 

 レーニナのジョンへのアプローチが上手くいかなくて不満を爆発させたところから暴走気味にジョンに迫るところより数箇所

「わたしはあなたが欲しくてたまらなかったのよ。あなたもわたしが欲しかったのなら、どうして……?」

 

「抱いて。ぎゅっと抱いて、中毒するまで」

 

「失神するほどキスをして。しっかり抱いて、蕩けるまで」

 

 ここまでされてジョンは拒みます。女性にここまで迫られたら普通は落ちますよ。ジョンのNoとはっきり言えるところは意志の強さを感じました。このあとの一幕でジョンが「こんな社会はどうかしている」と大勢に向かって言うところからも意志の強さを感じましたね。

 

 

 解説より

そこに描かれているのはフリーセックスと薬による現実逃避の世界であり、家族や家庭はタブー視され、宗教は「神聖さ」を奪われて、お祭り気分の儀式に堕しているのだから、当時としては禁書になるのはむしろ当然だったといえるだろう。

 

 そりゃ、禁書になりますよね…

 

 

 

 また、この本が刊行されたのが1932年で戦時中ってことで色々と著者の思いがこの本に込められているのかなって思いました。

 

  戦争するぐらいなら、いっそのこと、この『すばらしい新世界』のような何でもアリな世界がいい。そんな大それた事を考えてしまったのかもしれませんね(笑)

 

すばらしい新世界 (光文社古典新訳文庫)

すばらしい新世界 (光文社古典新訳文庫)