三流大学、理系学生が読んだ書物を語る

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青春を楽しめますように~神田川デイズ~

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 今回は、豊島ミホの「神田川デイズ」について感想を書きます。

 

 

地球のすねかじり達から物語は始まる

 

 内容としては、大学生のお話です。ぱっとしないトリオやある団体に属してる学生、大学デビューの学生など、まぁ、数人の学生の視点で書かれている、短編連作です。

 

 この本が出たころは、きっと「陽キャラ」「陰キャラ」などのハッキリとした言葉の住み分けなかったのでしょう。しかし、この物語は、ストーリーを通して、「陽キャラ」「陰キャラ」のそれぞれが抱えている問題、心情を描いています。言いたいことは、「スクールカースト」が上手く描かれているということです。

 

 スクールカーストと言えば、朝井リョウの「桐島、部活やめるってよ」などですが、それとは別に豊島ミホの作品もスクールカースト視点で読むと面白いです。

 

桐島、部活やめるってよ (集英社文庫)

桐島、部活やめるってよ (集英社文庫)

 

 

 お気に入りの場面

 

 気になるところ2つを本文から上げます。

 

俺たちって地球のスネカジリだと思わないか。こんな…こたつと石油ストーブのw使いの部屋でぬくぬくして、ミカンまで消費して……」

 

 物語の冒頭がこんな会話から始まります。とても印象的です。体たらくな学生生活を過ごしているトリオは、このままでは人生が詰まらないから何かしようと言い出すのです。しかも、テスト期間中に(笑)

 

 よりによって、お笑いライブをゲリラ的に行うってことで帰結するのですが、まぁ、面白いです。大学内でお笑いライブをゲリラで行うだけの行動力があったら、きっと彼らの童貞卒業は近いのでしょう。

 

 実行する姿勢が馬鹿馬鹿しいが面白いです。

 

ただ、俺は、どこか他のところに行きたいのだ。パッと開けた、めくるめく世界がーーあの雨の音と、後悔と、羞恥を、さっと消してくれる光に満ちた世界がーーちゃんと先に行っていると信じたいだけだ。

 

 話は変わり、ある男子大学生が現状を変えたいと思い、最後の決意する場面です。大学生の時って、意外と(どこだか分からないけど)自分自身が進んでいないと自覚する人が多いと思います。

 

 そのリアルな心情に共感して、この場面がお気に入りになりました。どこか不甲斐なさがある感じが、とてつもなく心痛いです。

 

最後に

 

 本文には、これら以外にも現状を打破したい思いがリアルに描写されていると感じました。著者自身があとがきで書かれているのですが、登場人物に著者自身を反映させている部分があるのがなんとなく読んでいて感じました。だから、読んでいて共感することが多かったです。

 

 特に、友達を作れなかった理由として

「選ばれたいが、私は選ばれない」という強い思いがあったからだ。

 

 自分も友達が多い方ではないので、この気持ちが無きにしも非ずって思います。

 

 また、

でも、「選ばれないから」と怯えて後ずさることで、自分が「誰をも選ばれない」という選択をひとつしているということに、私はずっと気が付かなかった。

 

  これは、響きましたね。誰からも選ばれないからって誰も選ばないことは、別問題であるのは当然ですよね。当たり前のことに気がつきました。

 

 

 大前提として、著者自身の経験が大いに物語に反映されている事を再認識しました。

 ミステリーやSFではない限り、ある程度のフィクションはあれど、著者の思いが物語になっており、解釈は人それぞれですが、きっとこんな事言いたかったのだろうなあ、と邪推する。

 

 これだから、読書ってやめられない。本当に読書から学ぶことって多いですね。

 

 是非、皆さんも手に取ってみて下さい。

神田川デイズ (角川文庫)

神田川デイズ (角川文庫)

 

 

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