三流大学、理系学生が読んだ書物を語る

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中3の時、踊り子に惚れた

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伊豆の踊子』との出会い

 今回は、私にとって少し特別な本について書きます。ですから、この本との出会いからお話したいと思います。『伊豆の踊子』は、川端康成の超有名な作品です。日本人として初めてノーベル文学賞を受賞したので、一度は耳にしたことがある方も多いと思います。

 

 この当たり前の事実を知ったのが、中学3年生の時でした。知ったきっかけとしては、受験期に模試とテキストの問題で川端作品に触れたことです。川端康成に興味を持って、作品一覧を見たとき、「伊豆の踊子」と記憶しています。

 

 そして、当時の私は「伊豆の踊子?なんだそれは?」ってなりました。しかし、曲がりなりにも直観的に「これは面白いのではないのか」と思い、近所の書店にレッツゴーしました。

 

 書店で、伊豆の踊子を見つけて、パラパラとその場でめくり、数十ページだから立ち読みしてから買うか決めました。さっそく読むと、「あれ?」冒頭からスラスラ読めるぞと思い、数ページめくり、本を閉じました。その時「あ、これ面白い」、買ってから、家で落ち着いて読もうってなったのです。(笑)

 

 これが私と『伊豆の踊子』の出会いでした。

 

中3の私、夢中に読み耽る

  中3の受験期に、家に帰って、宿題をほっぽって読みました。家で、落ち着いて読んだせいか、時間がかからず読めました。そして、最初に思った事は、「踊り子可愛いな」でした(笑)

 初めての受験、様々な緊張感、勉強の疲れ…など、思春期特有の惚れやすい体質を患っていたこともあって、本気で踊り子に夢中になりました。

 

 現代にも踊り子っているのか、どこで会えるのかなど…

 ネットの力を使って、滅茶苦茶調べた記憶があります。思春期の『何か』に夢中になった時の底力って凄いですね。(苦笑)

 

 それから、何度か読み返した記憶があります。何度か読んでいる内に、最後の「私」がなぜ帰りの船の中で泣いたのか分からなくなりました。というのも、最初は、「私」が寂しさのあまり、泣いたのだろうと感じていました。しかし、読み返していく内に、「あれ?」ってなりました。寂しさというよりも、自分が東京に帰らないといけない「不甲斐なさ」、自分自身が既定路線から外れることができない悔しさなのかな?と思いました。

 

 結論から言って、どちらの感情も相まって泣いたのかなのかなと思います。今から読み解くとですけどね。

 

 

お気に入りの場面

 

 ここで一つ言っておきたいことは、決して、年下好きってことではないということです。当時の私がグッときたということです。もちろん、今もグッときます。

 

 

私が踊り子一行に追いついた場面

 

「学生さんがたくさん泳ぎに来るね」と踊り子が連れの女に言った。

「夏でしょう」と、私が振り向くと、踊り子はどぎまぎして、

「冬でも……」と、小声で答えたように思われた。

「冬でも?」

踊り子はやはり連れの女を見て笑った。

「冬でも泳げるんですか」と私がもう一度言うと、踊り子は赤くなって、非常にまじめな顔をしながら軽くうなずいた。

 

 はい、ここで惚れました(笑)

 こんな純粋な子は、現代にはいませんね。

 

 ちょうどこの頃、「蛇にピアス」を映画で観たこともあって、異性に対する思いが180度変わったのをおぼえています。(原作は未読です)

 今から思い返すと、比較する対象がおかしいですが(笑)

 

 踊り子に読み聞かせをする場面、浴場の場面など、踊り子のあどけなさに私の心は射抜かれました。また、印象的な場面として、踊り子が接待することを知り、『私』が妙にそわそわするところです。気になる女性が他の人といると考えると、居ても立っても居られないって気持ちは分かります。

 

 

蛇にピアス

蛇にピアス

 

 

最後に

  最後、『私』が船で泣く描写は、綺麗に感じます。心情を理解する事は難しいですが、何だかやり切れない気持ちが伝わってきます。

 

 この作品だけに限った事ではないですが、川端康成の女性の描写はすごく魅惑的であり、中毒性があります。「雪国」などと比べると特にメッセージ性があるものではないですが、何度も読みたくなります

 

 是非、皆さんも手に取ってみて下さい。

 

伊豆の踊子 (新潮文庫)

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