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十年前の自分って?~拝啓、十年後の君へ。

 十年前の自分は、小学6年生のサッカーボールを追いかけることに夢中になっていた。ただただボールを追いかけていた。この物語に出てくる桐原冬弥の気持ちにちょっと共感してしまった。過去の自分を見ているように感じた。

 

 自分の場合は、高校に入ってすぐにサッカーをきっぱりとやめてしまった。凄い才能がある人に嫉妬したわけではないけど、やめた。

 高校受験に失敗して、それでも偏差値を落としてサッカーが強い高校に行った。自分の理想的な環境とは滅茶苦茶かけ離れていた。理想と現実のギャップに打ちのめされたことを覚えている。

 めっちゃダサいことをしたと自分でも思う。まぁ、自分語りはこの辺で(笑)

 

 物語の内容で浅井千尋と矢神耀の恋模様には、ドキドキした。

 初恋が実って良かった。

 

 まぁ、内容は青春小説の醍醐味をふんだんに盛り合わせたようなものだった。青春時代ってこんなに眩しいものだったかと思うってしまうほどに心を揺さぶれた。

 我ながら単純な心理をしていると思う。

 純粋に楽しめる内容だった。

 

 

 

 

 

えっ、枕って生き物なの?~生物学者山田博士の聖域~

 例えば、知人の結婚式で隣席の人が、枕に向かって「どうだい、楽しんでいるかい」なんて言っていたら何を感じるだろうか?

 つい先ほどまでは、お互いの名前について軽く花を咲かせていた相手が、バックから枕を取り出してだ。

 もちろん、アブナイ人のレッテル貼り、関わらないようにするだろう。そして、綺麗さっぱりと記憶から消去する。

 最初の出会い方は、一つでも間違ったら、初対面で終わり、次に会う機会は一生来ない。しかし、奇跡的にも鈴木沙夜梨と山田博士は、再び会う約束をして、順調に距離を縮めていく。山田博士は、生物学者であり、童〇である。いつもツルム同僚の仲間たちも同じような連中ばかり。そこで、鈴木氏と山田氏の仲を良く思わない、悪友たち。

 初デートにて、悪友たちに邪魔される。しかし、ふたりはプリキュア無事に恋人同士になる。そんな、ふたり+枕の物語である。

 

 この本を電車で読んでいたが、思わず吹き出してしまった場面がある。

 披露宴を終えて、山田氏が連絡先を交換したことがあやふやなまま別れてしまい、酒に酔っていた、その時メールの着信を確認した場面、

FROM:北条君 

TO:山田博士

 前略。大変エロティックなDVDを入手しました。こいつはモノホンです。真田宅にて本日上映会を行います。午後十時に万難を排して集合されたし。かしこ。

 

「いらねぇよ!」

僕は携帯に向かって怒鳴った。直後に別のメールが届いた。

 

FROM:Sayori.suzuki@xxx 

TO:山田博士

  鈴木です。今日は有難うございました。楽しかったです。

 

 僕はガッツポーズをして、その場でピョンと飛び跳ねた。 

 

 不意打ち過ぎて、笑ってしまった。悪友たちが個性豊か過ぎ。おまけに、出会い系で待ち合わせ場所に柴犬を連れていき、待っていると北条君がコンビニから裾の短いスーツで現れて、同じ『詩織』を待つ場面も笑ってしまう。

 

 

 読んでいて、SFちっくなところもあったりと、森見登美彦先生に作風が似ていると思った。現役の研究者が書いた小説ということもあって、生物に関するネタが散りばめられていて、それも楽しさを際立たせる。続編があるみたいだから、絶対に読む(笑)

 あと、二、三冊は出てほしいな……

 

生物学者山田博士の聖域<生物学者山田博士> (角川文庫)
 

 

声が聞きたくて~君の色に耳をすまして~

 毎日、講義を終えて、サークルに精を出すわけでもなく、バイトが忙しいと言うでもなく、何か没頭している趣味があるわけでもない。つまり、時間を持て余している学生がいる。そこに、先輩の紹介で、ある女子大生と出会う。彼女は声を出せない。筆談で自己紹介されたことに、驚きもするが、不思議と違和感を感じない。

 普段、声の色から感情や嘘をイヤというほど見える。そんなうんざりしていた時、川澄真冬に課題の映像制作を手伝いたいと提案される。彼女からは透明な色が出ていた。渋々と、制作の協力を了解する。時間を共にすればするほど、彼女へ惹かれていく。

 透明な色の秘密は過去に、姉が亡くなったことと関係していた事を知る。そして、その姉のことでひと悶着して、喧嘩別れする。しかし、最後は、結ばれてハッピーエンド。

 

 この本を読んで思ったことは、川澄真冬が可愛いことは当然として、我妻先輩のキャラがどうしようもなく、愛おしいということだ。

 別に、同性が好きということではない。主人公の杉野誠一とは、対照的な性格で、合コンでは、自ら嫌われに行く無鉄砲さでいて、何か制作をやる時は、頼りがいのある兄貴的人物。そして、『僕と彼女の繋がり』を紡ぐ糸の役割。我妻先輩なくして出会いはなかった。大学を中退して、音信不通の後輩に、突然、『父親の会社のPRを作るから、手伝え』とのメールを送る。

 テキトーな性格でもあるけれども、こんな先輩がいたら、それはそれで楽しい学生時代を過ごせるように思う…

 と言っても、何度も振り回されたくないけれど。

 

 

初恋は特別なもの~初恋ロスタイム~

 本当に最近は、ライトノベルばかり読んでいる気がする。今回は、仁科裕貴先生の「初恋ロスタイム」について少し感想を。

 

 私は共学出身である。男子校の雰囲気を知らないので、何とも言えないが、大学で工学部に進学して、男子しかいない状況なので、ちょっとは学生生活を想像できるが

これが高校で三年間続くと思うとちょっと辛い。

 

 ある日から、決まった時間に世界が静止する。厳密には、時間の経過が遅くなる。その静止した世界でヒロインと出会う。二人は互いに、この現象について調べることにする。毎日、顔を合わせるうちに、ヒロインの秘密を知って、四苦八苦する。

 

 主人公が、女子との接点を求めて女子校へ侵入するのは、何ともいたたまれない。なによりも、言い訳が…

 「聞いてください! 僕は街を見回っていただけなんです!

 とっさに出た言い訳が素晴らしいぐらい男子高校生、女性にとっては、害でしかない言い訳だけど(苦笑)

  

 ”初恋”と言うだけあって、時音に対する主人公の初々しさが妙に心地よい。

「……うん。それはもちろん知っているけど」

 嘘だった。知らなかった。

  アディショナルタイムのくだりで、知っていると強がる。女性の前で知らないものを知っていると言いたくなる気持ちが分からなくもない。ましてや中学時代、模試の成績で一度も勝てなかった相手だ。

 

 結局、私は、この忙しい日常に癒しを求めているのかもしれない。とにかく、ヒロインとのイチャつき具合が微笑ましい。

「……あのさ。ちょっと休憩しない?あそこにベンチがあるから」

「休憩?何で?」

「いや、もう結構歩き疲れてない?」

「嘘。もう疲れちゃったの?体力ないのね」

「ごめん。実は昨日、あんまり眠れなくて……」

「そんなのわたしだってそうよ!」

  こう言うところはほっこりとする。

 

 ああ、こんな会話できる彼女を高校生の時に……(笑)

 

 

 

青春を謳歌するものたちはまぶしい~小説の神様~

 相沢沙呼先生による青春小説「小説の神様」の感想を少々綴る。

 

 物語は、中学生でプロの作家としてデビューした高校生が創作できなくなった今日この頃、ふとしたことで同い年の人気作家で隣の席の女の子と共著することになる。共に抱えている問題を補いつつ、成長する物語。

 

 最近、妙に青春小説を読みたくなり、ふらっと書店に行き、タイトルに惹かれて即買いをした。

 

 青春時代とは、色々なことに対して敏感だったり、ナーバスだったりする。ちょっとしたことで喜んだり、悲しんだりもする。ましてや、他者からの評価は一番敏感になっているものだ。身だしなみに気を遣ったり、中二病チックな思考に傾倒したりだってする。

 

 これらは青春時代でしか味わうことの出来ない、とても貴重な体験であると最近つくづく思う。それが後に、黒歴史と言われるイタイものでもだ。ある日、主人公は、ネットで自分の作品のレビューを見て、メンタルをズタボロにされる。

 残念ながら、私の場合、自分の名前やらなんやらをネットでサーチかけても、何も出てこないので共感出来ない。しかし、青春時代特有の精神的な危うさには、共感じみたものを感じた。

 

 それにしても、この手の作品のヒロインはとても可愛いく映るものだ。毎回、ヒロインに恋い焦がれてしまう自分に嫌気がする。

 

はっとした小余綾は、僕から慌てて額を離すと、紅潮した顔を背けた。

「い、いいから、早く 部屋に入れてよ。風邪をひいたら、どう責任をとるつもりなの」

  まったく、最高に萌えたぜ。危うく、ツンとデレの割合が妙に心地よくて詩凪に惚れてしまうところだった(笑)

  

  しかし、最後の最後でやられてしまった…

彼女は、ほんの少し、呆れたような顔を見せた。

「まったく……。ほら、行くわよ」

ぐい、と手首を掴まれて、強引に立ち上がらされる。僕は思わずふらついてしまった。くすくすと、どこか高慢に笑いながら、彼女は僕の身体を引っ張って行く。

  ちょっと強引なところは、草食系男子にはグッと来てしまう。

 

 

 明日も、青春小説を求めて書店にでも行こうかな……

 

 

小説の神様 (講談社タイガ)

小説の神様 (講談社タイガ)

 

 

悲劇の名作~ロミオとジュリエット~

 「ロミオとジュリエットちくま文庫松尾和子訳、個人的には松尾和子さんの訳が一番読みやすく感じる。他の方の訳はどうも読みにくい(笑)

 テンペストちくま文庫で読んだし…

 

 

 さて、ロミオには嫉妬してしまう、後を追って自殺してくる女性がいるとは。なんと愛されていることか。しかし、誓いを立てたのに結ばれない、しかも人を殺めてしまったロミオ、その上にジュリエットの偽訃報。心情を察すると、奇行(恋敵を討つ)に同情しなくもない。

 

 が、計2人も殺めてしまうのはいただけない(笑)

 

 とりあえず、誓いを立てたすぐに、地位や名誉なんておっぽり出して、駆け落ちすれば良かったのに…決断力がないな。

 ロミオはまだまだお子ちゃま?最初に好きだ好きだ言っていたロザライン、彼女へのアプローチでうまくいかないことで泣くほど好きだったりと、子供ぽい性格の印象を受けた。

 本気で恋をする(相思相愛)と盲目になり、思考が幼くなるものなのか?

 このかた21年、振られてばかりで分からない(笑)

 

 シェイクスピア作品はこれで、テンペストマクベスリア王ハムレット、オセロと読んできて、6作品目になるが、見事に悲劇ばかりで読書に偏りがある。次は、ベニスの商人じゃじゃ馬ならしあたりを読もう(計画)。

せーので~君の名は。~

 最近は、専門書を読む傍ら、行き詰まったら気分転換にライトノベルばかり読んでいる気がする。その中でも、一番話題になっているであろうこの作品。

 映画のノベライズということもあってか、書店には、目立つ位置に置かれていた。新海誠の最新作と言うだけで買ったが、とても楽しめた。

 

 「夢のような話」だと思った。終わり方がバットエンドでもハッピーエンドでもないように感じる。結末がどうであれ、ヒロインの三葉が兎に角可愛い。また、お互いの禁足事項なるものは年相応らしくて笑ってしまう。

 

三葉は自分の頭にくるり組紐を回す。カチューシャのように縦に巻いて、左耳の上でちょうちょ結びにする。

「どうかな?」頬を染めて、上目遣いで俺に訊く。組紐がリボンのように、ボブの頭で跳ねている。

  可愛いらしさが溢れ出ている。これは、好きになる。

 

 

 青春の甘酸っぱさを存分に味わったところで、また勉強を再開しようと思う。