三流大学、理系学生が読んだ書物を語る

三流大学、理系学生が読んだ書物を語る

小説、映画、マンガ…etcについて徒然なるままに感想を書いてます。

声が聞きたくて~君の色に耳をすまして~

 今回は、小川晴央先生の『君の色に耳をすまして』について、感想を綴ります。

 

 

 毎日、講義を終えて、サークルに精を出すわけでもなく、バイトが忙しいと言うでもなく、何か没頭している趣味があるわけでもない。つまり、時間を持て余している学生がいる。そこに、先輩の紹介で、ある女子大生と出会う。彼女は声を出せない。筆談で自己紹介されたことに、驚きもするが、不思議と違和感を感じない。

 

 

 普段、声の色から感情や嘘をイヤというほど見える。そんなうんざりしていた時、川澄真冬に課題の映像制作を手伝いたいと提案される。彼女からは透明な色が出ていた。渋々と、制作の協力を了解する。時間を共にすればするほど、彼女へ惹かれていく。

 透明な色の秘密は過去に、姉が亡くなったことと関係していた事を知る。そして、その姉のことでひと悶着して、喧嘩別れする。しかし、最後は、結ばれてハッピーエンド。

 

 

 この本を読んで思ったことは、川澄真冬が可愛いことは当然として、我妻先輩のキャラがどうしようもなく、愛おしいということです。

 

 

 いや、同性が好きということではないですからね。

 

 

 主人公の杉野誠一とは、対照的な性格で、合コンでは、自ら嫌われに行く無鉄砲さでいて、何か制作をやる時は、頼りがいのある兄貴的人物。そして、『僕と彼女の繋がり』を紡ぐ糸の役割。我妻先輩なくして出会いはなかった。大学を中退して、音信不通の後輩に、突然、『父親の会社のPRを作るから、手伝え』とのメールを送る。

 テキトーな性格でもあるけれども、こんな先輩がいたら、それはそれで楽しい学生時代を過ごせるように思う…

 と言っても、何度も振り回されたくないですけど。(笑)

 

 

 

 追記(2018/5/某日)

 

 

 大学が舞台の物語って、メディアワークス文庫では、マイノリティーですよね。

 だからこそ、大学時代に読むと楽しめますよ。

 大学生は是非、読んでみてください。

 

 

 それはそうと、我妻先輩って結局良い人ですよね。

 周りを巻き込むタイプの人って一緒にいて楽しいですよね。

 もちろん、毎回巻き込まれていると大変ですが…

 

 

 ただ、巻き込まれないよりも、巻き込まれた方が、楽しいと思ってしまうのが私なので、我妻先輩って良い人だと思うのですがね。(笑)

 

 

 意外と大学での先輩って結構、付き合いがあるものですよね。

 サークルだけの付き合いだけでなく、就活や研究室(理系だけかもしれないですが)で結構お世話になるものです。

 

 

 先輩との付き合い、大事にしようと改めて思う一冊になりました。

初恋は特別なもの~初恋ロスタイム~

 本当に最近は、ライトノベルばかり読んでいる気がします。今回は、仁科裕貴先生の「初恋ロスタイム」について少し感想を綴ります。

 

 

 私は共学出身です。男子校の雰囲気を知らないので、何とも言えないですが、大学で工学部に進学して、男子しかいない状況なので、ちょっとは学生生活を想像できます。

 しかし、これが高校で三年間続くと思うとちょっと辛い。(苦笑)

 

 

 ある日から、決まった時間に世界が静止する。厳密には、時間の経過が遅くなる。その静止した世界でヒロインと出会う。二人は互いに、この現象について調べることにする。毎日、顔を合わせるうちに、ヒロインの秘密を知って、四苦八苦する。

 

 主人公が、女子との接点を求めて女子校へ侵入するのは、何ともいたたまれない。なによりも、言い訳が…

 「聞いてください! 僕は街を見回っていただけなんです!

 とっさに出た言い訳が素晴らしいぐらい男子高校生、女性にとっては、害でしかない言い訳だけど(苦笑)

  

 ”初恋”と言うだけあって、時音に対する主人公の初々しさが妙に心地よいです。

「……うん。それはもちろん知っているけど」

 嘘だった。知らなかった。

  アディショナルタイムのくだりで、知っていると強がる。女性の前で知らないものを知っていると言いたくなる気持ちが分からなくもないです。ましてや中学時代、模試の成績で一度も勝てなかった相手だし。

 

 

 結局、私は、この忙しい日常に癒しを求めているのかもしれないです。とにかく、ヒロインとのイチャつき具合が微笑ましい……

「……あのさ。ちょっと休憩しない?あそこにベンチがあるから」

「休憩?何で?」

「いや、もう結構歩き疲れてない?」

「嘘。もう疲れちゃったの?体力ないのね」

「ごめん。実は昨日、あんまり眠れなくて……」

「そんなのわたしだってそうよ!」

  こう言うところはほっこりとします。

 

 

 ああ、こんな会話できる彼女を高校生の時に……(笑)

 

 

 

 

 追記(2018/5/某日)

 

 

 エントリ読み返すと、ライトノベルを読むことが増えたなと実感しました。

 大学入って、周りがオタクばかりと結構、影響を受けるものですね。

 

 

 この『初恋ロスタイム』って、SFちっくなところが良いですよ。

 自分と彼女以外は、世界が静止しているってロマンチックなところ(笑)

 

 

 ただ、世界が静止している中、自分たちだけの時間だけ進行しているように体験するって、結局、時間は静止してないよなって思わなくもないです…

 

 

 難しいことは、考えないようにしましょうか。

 量子世界が関わってきそうなので(笑)

 

 

 それはそうと、『初恋』にあやかって、最近読んだ本があります。

 

mottobungaku.hatenadiary.jp

 

 やっぱり、『初恋』に関する物語って、面白いですよね。

 男の性か、初恋ってある意味『パワーワード』な気がします。

 特に語るエピソードはないですが(笑)

青春を謳歌するものたちはまぶしい~小説の神様~

 相沢沙呼先生による青春小説「小説の神様」の感想を綴ります。

 

 

 物語は、中学生でプロの作家としてデビューした高校生が創作できなくなった今日この頃、ふとしたことで同い年の人気作家で隣の席の女の子と共著することになる。共に抱えている問題を補いつつ、成長する物語です。

 

 

 最近、妙に青春小説を読みたくなり、ふらっと書店に行き、タイトルに惹かれて即買いをしました。

 

 

 青春時代とは、色々なことに対して敏感だったり、ナーバスだったりします。ちょっとしたことで喜んだり、悲しんだりもします。ましてや、他者からの評価は一番敏感になっているものだ。身だしなみに気を遣ったり、中二病チックな思考に傾倒したりだってします。

 

 

 これらは青春時代でしか味わうことの出来ない、とても貴重な体験であると最近つくづく思います。それが後に、黒歴史と言われるイタイものでもです。ある日、主人公は、ネットで自分の作品のレビューを見て、メンタルをズタボロにされます。

 残念ながら、私の場合、自分の名前やらなんやらをネットでサーチかけても、何も出てこないので共感出来ないです。しかし、青春時代特有の精神的な危うさには、共感じみたものを感じました。

 

 

 それにしても、この手の作品のヒロインはとても可愛いく映るものですね。毎回、ヒロインに恋い焦がれてしまう自分に嫌気がする。

 

はっとした小余綾は、僕から慌てて額を離すと、紅潮した顔を背けた。

「い、いいから、早く 部屋に入れてよ。風邪をひいたら、どう責任をとるつもりなの」

  まったく、最高に萌えたぜ。危うく、ツンとデレの割合が妙に心地よくて詩凪に惚れてしまうところだった(笑)

  

  しかし、最後の最後でやられてしまった…

彼女は、ほんの少し、呆れたような顔を見せた。

「まったく……。ほら、行くわよ」

ぐい、と手首を掴まれて、強引に立ち上がらされる。僕は思わずふらついてしまった。くすくすと、どこか高慢に笑いながら、彼女は僕の身体を引っ張って行く。

  ちょっと強引なところは、草食系男子にはグッと来てしまいます。

 

 

 明日も、青春小説を求めて書店にでも行こうかな……

 

 

小説の神様 (講談社タイガ)

小説の神様 (講談社タイガ)

 

 

 

 追記(2018/5/某日)

 

 

 私は、ブログに青春小説ばかり感想を書いています。

 青春小説は、誰でもとっつきやすく、すらすらと読めます。

 ですので、たまたまブログを読んだ方でも楽しめるかなと思って綴っています。

 

 

 …ほんとは、青春小説が好きなだけですけどね(笑)

 

 

 最近、エントリを読み返していますが、読書の偏りが酷いですね。

 あと、『私』と『僕』で一人称がバラバラだったり……

 

 

 とりあえず、一人称は『私』で統一しようと思います。(笑)

 

悲劇の名作~ロミオとジュリエット~

 今回は、ちくま文庫松尾和子訳「ロミオとジュリエット」についてです。

 個人的には松尾和子さんの訳が一番読みやすく感じます。他の方の訳はどうも読みにくいです(笑)

 

 

 テンペストちくま文庫で読んだし…

 

 

 さて、ロミオには嫉妬してしまう、後を追って自殺してくる女性がいることに。なんと愛されていることか。しかし、誓いを立てたのに結ばれない、しかも人を殺めてしまったロミオ、その上にジュリエットの偽訃報。心情を察すると、奇行(恋敵を討つ)に同情しなくもないです。

 

 

 が、計2人も殺めてしまうのはいただけない(笑)

 

 

 とりあえず、誓いを立てたすぐに、地位や名誉なんておっぽり出して、駆け落ちすれば良かったのに…決断力がないな。

 ロミオはまだまだお子ちゃま?最初に好きだ好きだ言っていたロザライン、彼女へのアプローチでうまくいかないことで泣くほど好きだったりと、子供ぽい性格の印象を受けた。

 本気で恋をする(相思相愛)と盲目になり、思考が幼くなるものなのか?

 このかた21年、振られてばかりで分からない(笑)

 

 

 シェイクスピア作品はこれで、テンペストマクベスリア王ハムレット、オセロと読んできて、6作品目になるが、見事に悲劇ばかりで読書に偏りがある。次は、ヴェニスの商人じゃじゃ馬ならしあたりを読もう(計画)。

 

 

 

シェイクスピア全集 (2) ロミオとジュリエット (ちくま文庫)

シェイクスピア全集 (2) ロミオとジュリエット (ちくま文庫)

 

 

 追記(2018/5/某日)

 

 

 結局、『じゃじゃ馬嵐』、『ヴェニスの商人』ともに読めていません。(苦笑)

 宣言しておいて、実行していないって…

 反省します。(笑)

 

 

 最近、古典を読むことがほとんどなく、危機感を抱いてます。

 読んだとしても『講談社まんが学術文庫』を読むぐらいです。

 

 

 完全に、原書を再現されていませんが、それでも概要(大枠)だけでもと思って読んでいます。

 特に『資本論』は分かりやすかったです。

 ある街を舞台にした物語で、資本主義がどの様に回っているかを再認識しました。

 

 

 普段、何気なく使っている『お金』の価値、支払ったお金の動きって考えないですよね。

 閉ざされた街だと、顕著に、化物へと変化する様は恐ろしい側面を持っています。

 資本主義について考えさせらる一冊になりました。

 

 

 是非、皆さんもマンガから読まれて下さい。

 

 

 

 

資本論 (まんが学術文庫)

資本論 (まんが学術文庫)

 

 

せーので~君の名は。~

 言わずと知れた、新海誠監督の『君の名は。』について、感想を綴ります。

 

 

 最近は、専門書を読む傍ら、行き詰まったら気分転換にライトノベルばかり読んでいる気がします。その中でも、一番話題になっているであろうこの作品です。

 映画のノベライズということもあってか、書店には、目立つ位置に置かれていました。新海誠の最新作と言うだけで買ったが、とても楽しめました。

 

 

 SFと言うよりも「夢のような話」だと思いました。また、終わり方がバットエンドでもハッピーエンドでもないように感じます。

 

 

 結末がどうであれ、ヒロインの三葉が兎に角可愛い。また、お互いの禁足事項なるものは年相応らしくて笑ってしまいました。

 

三葉は自分の頭にくるり組紐を回す。カチューシャのように縦に巻いて、左耳の上でちょうちょ結びにする。

「どうかな?」頬を染めて、上目遣いで俺に訊く。組紐がリボンのように、ボブの頭で跳ねている。

  可愛いらしさが溢れ出ている。これは、好きになる。(笑)

 

 

 青春の甘酸っぱさを存分に味わったところで、また勉強を再開しようと思う。

 

 

 

 

 追記(2018/5/某日)

 

 

 本はリピートしていませんが、DVDを何度も見ています。

 それぐらい、この物語が好きです。

 

 

 特に、最後の三葉を見つけて走り出すシーンは、いいですね。

 何年ももがいていた瀧くんの思いが、進んだ気がして印象的です。

 

 

 本編で何かを探していると言っていますが、これって面白い表現だと思います。

 この何かって瀧くんにとっては、三葉や体験してきた記憶なのは明白ですが、瀧くんの状況は就活をしていて、答えのない問題(どんな会社から内定を貰うかなど)にぶつかっていて、漠然としたイメージだけが頭にあるって感じだと解釈しました。

 

 

 そんな中、最後に三葉を見つけて走り出すシーンは、何年も漠然としていたイメージがはっきりとした瞬間だと思います。

 そんな状況だったら、走り出しますよね。必死で走って手に入れたくなりますよね(笑)

 手に入れると言うよりも、確認したくなったに近いのかもしれませんが……

 

 

 結局、物語はそこで終幕ですが、瀧くんは、きっと漠然とした『何か』の答えを見つけられたのかなと思います。ですので、ある意味では、ハッピーエンドなのかもしれませんね。