三流大学、理系学生が読んだ書物を語る

三流大学、理系学生が読んだ書物を語る

小説、映画、マンガ…etcについて徒然なるままに感想を書いてます。

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短編集3~さくら荘のペットな彼女10.5~

 今回は、『さくら荘のペットな彼女10.5』について、感想を綴ります。(注意:ネタバレあり)
 さくら荘の短編集の3巻目です。

はじめに

 さくら荘のペットな彼女の短編集の3巻目です。
 栞奈の恋愛模様、空太たちの大学の話、空太とましろのその後の話がまとめられています。個人的におすすめなのは、やはり最後の空太とましろの話です。

 

それぞれの成長

  さくら荘の面々は、それぞれ成長しています。仁や美咲は、あまり出てきませんが、主に栞奈と伊織、リタと龍之介、ましろと空太です。不器用な面々ですが、ちゃんと成長しています。
 栞奈と伊織は、キスをするしないで、揉めていたり、リタと龍之介は、関係が少しディープになっていたり、ましろと空太は、デートの日に仕事が入って中止になったり…。いや、ちゃんと成長していますよ(笑)

 何が正解かは、分からないけど、お互いに意思疎通をしながら、それぞれ選択している様子が描かれています。

 

長谷栞奈の恋模様

 長谷栞奈が空太を好きになり、ましろと空太のデートを尾行している時の心情、伊織との関係が徐々に変化していく時の心情が、描かれています。
 栞奈は、たぶん、さくら荘の面々の中でも一番、不器用だと思います。柔軟性がない、というよりも、人との関わり合いが根本的に好きじゃないって感じがひしひしと伝わってきました。ただ、そんな不器用な栞奈を徐々に変えていってる伊織の存在も描かれています。

 何だかんだで、栞奈と伊織が微笑ましく思えてきます。最後、この2人がしっかりと結ばれて良かったです。

 

お気に入りの場面

 ましろが空太に両親に会ってほしいと言った場面より

「ふたりとも、明日、来るわ」
「は?」
「……急だな」
なんとか声を絞り出す。
「わたしは一ヶ月くらい前から聞いてたわ」

 相変わらずの夫婦漫才。お互い成長しているのに、いつまでも、こういう会話できるのは、ほっこりしました。ましろは、いつも通りが一番ですね(笑)
 空太も何だかんだで、ましろの両親に挨拶する気あったり、この2人の関係は、この先もこうやって続いていくのだろうと想像できますね。

 

最後に

  これで、さくら荘シリーズの完結です。さくら荘の面々は、みんなハッピーエンドって感じです。「夢」や「恋」、「挫折」について、これだけ真っ直ぐに書かれているライトノベルは無いと思います。そして、その時々での十代の揺れる心情も描かれています。気持ちが上がったり下がったりしますが、最高に面白い作品です。このシリーズがもう読めないのは、残念ですが、とても楽しめました。

 


 是非、皆さんも手にお取り下さい。

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終わり方が好き~さくら荘のペットな彼女10~

 今回は、『さくら荘のペットな彼女10』について、感想を綴ります。(注意:ネタバレあり)
 さくら荘の10巻目です。最終巻です。

 

前回までのあらすじ

 空太とましろが結ばれ、水族館でデートをしていました。そこに後をつけてきた、栞奈と伊織に気付いた空太が、声を掛けました。慌てた栞奈がバランスを崩して倒れそうになったところを伊織がかばって、腕を骨折してしまいます。伊織と栞奈の関係が少し縮まります。そんな中、空太は龍之介と本格的にゲームを作ることを決意して、ゲームを制作する日々。

 

いきなりの展開

  いきなり、空太とましろの事後から物語は始まります。いや、ライトノベルでこんなにも露骨なのは、驚きました。初めて「ノルウェイの森」を読んだとき以来の衝撃です(笑)
 流石に、生々しい表現はないですけど、ライトノベルにしては、大胆だなと思いました。


 話は戻して、空太とましろが一線を越して、ましろが忙しくなり、デートが出来ない日が続きます。そんな中、龍之介が耳の痛い事を言います。

「神田は、自分の目標と、椎名……どちらが大切なんだ?」

 夢を実現させるために必要な事は、多い。それを何かと両立させるのは、厳しいと言っています。これって、普通の高校生の考えることじゃないですよね(笑)
 本気だからこそ、様々なリスクを回避する癖を身につけている龍之介は、すごいですね。そして、空太もその答えをしっかりと出しているところもすごいです。

 

お気に入りの場面

 美咲が空太に対して、問いかけた場面より

「こーはいくん、やりたいことは全部できたのか!」

 それに対して、空太は

「ただ、今の俺は、高校生活をやり直したいなんて、まったく思ってないんですよ。それよりも、もっと先まで早く行きたいって……気持ちが落ち着かないくらいです」

  前を向いている感じが好きです。何かに夢中だからこそ、言えてしまうのでしょうね。この過去に対して、未練がましく無いのが、高校生らしくもあり、印象的です。

 
 そして、最後の桜の下での場面より

ましろ
声をかけながら、真白に向き直る。
「ない?」
ましろも空太の方へ体を向けた。
「俺は、この四年間、ずっとましろのことが好きだった」

 夢を叶えるために、大学四年間をがむしゃらに走ってきたのだと伝わってきます。空太の想いがストレートに伝わってきて、好きです。

最後に

 さくら荘のペットな彼女は、これが最終巻です。個人的には、ライトノベルの中で最も好きな作品です。終わり方がきれいです。まるで、少女漫画のようです。

 「さくら荘のペットな彼女」の好きなところは、さくら荘の面々が、成長しているところです。誰よりも「普通」だったはずの空太が、ましろと出会い、夢に向けて努力するところが眩しく感じます。様々な経験を経て、成長していく空太、特に挫折するところは、このさくら荘のペットな彼女の面白いところです。


 魔法や異世界は出てきませんが、毎巻ハラハラドキドキする「さくら荘のペットな彼女」。鴨志田先生の心情描写が上手く、空太の挫折したところがとても印象的です。特に、空太が初めて、自分の努力ではどうしようもないところで結果が決められてしまうところです。
 さくら荘のペットな彼女を読んでいると、空太のように真っ直ぐに頑張ってみようと思えてきます。まずは、やってみようと思わせてくれます。ほんとに(笑)


 そして、最後、空太とましろが結ばれてほんとに良かったです。

 

 是非、皆さんも手にお取り下さい。

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過酷だな~アニメを仕事に!~

 今回は、『アニメを仕事に!トリガー流アニメ制作進行読本』について、感想を綴ります。

 

アニメ業界…。

 最初に言いたいのは、「SHIROBAKO」と似ているなってことです。てかそのものです(笑)
 それはそうと、驚いたのは、アニメーションの1話あたりが大体、1200~1800万と高いことです。すごくないですか?12話(1クール)で軽く1億4400万~2億3400万かかるってことです。めちゃくちゃお金がかかるものなのですね。ちなみに、広告費などは別途だそうです。働いてる方々には、失礼ながらも低予算なモノばかりと思っていました。

 

 また、大体、30分のTV作品では、200~300人のスタッフが携わっているようです。ここでも思ったよりも多くの人が携わっていることに驚きました。いや、スケールが大きいですね。アニメってもっとこじんまりとしたモノ作りだと思っていました。

 

アニメ「SHIROBAKO」については、こちら

mottobungaku.hatenadiary.jp

 

どの業界にも信条がある

 著者が終始言っていることに、「チーム」と「コミュニケーション」があります。この二つがないと仕事にならないようなことを言っています。当然のことですが、200~300人のスタッフが携わっていることからコミュニケーションが絶対欠かせないことが想像つきます。

 

 それにしても、新人教育に関する各工程が意外にもしっかりとしています。これも現場で働いている方々には失礼ですが、新人教育とは無縁の世界かと思っていました。ほんと、ブラックなイメージが先行していましたので、すみません。

 

 新人教育の目的に「将来の自分の仕事を楽にしてくれる人財を育てること」とありましたが、これは、どこの会社でも一緒でしょうね。ただ、新人教育を受ける側はこの意図をしっかりと理解できないかもしれません。私のような来年から社会人になる身としては、入ってそうそう担当者から、君たちは「将来の我々の仕事を楽にしてくれる人財になる」ための教育を受けてもらう。とか言われてもマイナスのイメージしか定着しません。(笑)まぁ、会社からしたら当然のことですけどね。

 

 制作進行の業務について書かれているので、実務や○○管理といった、事務的な能力について重要性を説いています。しかし、この本を読んだ事で、業界全体を知れたのは良かったです。私は、モノ作りでも全く違うモノ作りの世界ですので、面白かったです。

 

 最後に名言です。本文より

 「全ての事象は、起きてから対応するのでは遅すぎる」

 


 是非、皆さんも手にお取り下さい。

 

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恋愛要素が強め~さくら荘のペットな彼女9~

 今回は、『さくら荘のペットな彼女9』について、感想を綴ります。(注意:ネタバレあり)
 さくら荘の9巻目です。

 

前回までのあらすじ

 修学旅行が近づいてきた、空太は、結論を出せずにいました。千尋や仁と話したり、何度も考えていました。修学旅行の最終日、七海とましろの待ち合わせ場所に向かいます。そして、「憧れ」と「恋」を自覚した空太は、修学旅行でましろを選びました。 

新たな関係

 晴れて、空太とましろは結ばれました。その裏側で七海は、どの様な結果であってもさくら荘を出ていくと言ってた事を実行します。七海がいなくなったさくら荘ですが、空太もましろも相変わらずです。
 そんな中、空太とましろが水族館でデートします。終始、イチャイチャし、夫婦漫才ぽい感じで、デートを楽しむ2人です。
 しかし、伊織と栞奈が後をつけていることに気付き、声を掛けたら、栞奈がバランスを崩して倒れそうになり、そこを伊織がかばいます。その結果、伊織は腕を複雑骨折してしまいます。

「七月のコンクールに出場しなくていい理由ができたって、安心してるんですよ!三年前に姉ちゃんが三位入賞した、全日本コンクールに出なくていいって!」
「……」
「腕が折れたなら、みんなも仕方がないって思ってくれるって……ピアノを諦める理由ができて……俺、俺は……!」

 伊織は、こんな心情を空太にぶつけます。空太と伊織、空太がちゃんとした先輩になってて驚きますが、この後、伊織にかける言葉が冷静で、これまた驚きます。

「伊織は強いな」

 これには、空太のましろへの思いもあるのでしょうね。だから、自分の気持ちとちゃんと向き合っている事に対して、感想を言ったのかなと思います。先輩らしい空太がカッコ良く見えます。

突然の訪問

  ゲームキャンプの審査で合格を貰い、急いでさくら荘に戻った空太。そこには、リタがいました。来年から水明芸術大学に留学する事が決まり、半年前から語学学校に通うために来日したのでした。


 龍之介がリタのさくら荘にいる事に反対していましたが、ゲーム制作のデザインを手伝ってもらう事を引き換えに渋々、承諾しました。龍之介の中学時代の話も出てきて、龍之介のモノ作りに対する想いが…。すごい伝わってきました。

「わからないなら僕が教えてやる。その目標が叶う未来を、お前が信じていないからあだ」
「っ!」
「今やっていることを、その未来に繋げようという意識が欠如しているからだ」

 高校生でこの想いを持って、モノ作りをしている事がすごいです。単なる化け物ですよ。それでしかもプログラマーとして、結果を残しているのが、カッコイイですね。「夢」に対して、こんなにも純粋に努力を重ねられる龍之介、半端ない。


 この後、リタと麻耶の喧嘩は、ただただ怖かったです(笑)
 嫌われ役をしたリタがけなげですよ。そして、告白しても女は嫌いという理由で断るし。龍之介の変わり者具合が、ここでも半端ないです。

 

最後に

  友情・努力・恋愛がさくら荘のテーマにあると思います。その内、友情・努力が良い方向に動き出しています。恋愛はきっと、上手く行きますよね?(笑)

 


 是非、皆さんも手にお取り下さい。

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それでも好き~さくら荘のペットな彼女8~

 今回は、『さくら荘のペットな彼女8』について、感想を綴ります。(注意:ネタバレあり)
 さくら荘の8巻目です。

 

前回までのあらすじ

 さくら荘に、音楽科の姫宮伊織と、普通科で作家の長谷栞奈が加わりました。伊織は、姉と比較されて、コンクール当日にボイコットします。そこで、空太が励まして、事なきを得ます。栞奈は、作家デビューしてから上手く書けなくなっていました。ストレス発散からノーパンで過ごしていました。それを空太が知ります。何だかんだで、空太が助けて二作目がまとまり、ノーパンで過ごすことがなくなりました。と思いきや、相変わらず、ノーパンで過ごしていたところを寮の管理人に見られて、さくら荘に島流しされてきました。
 さくら荘が賑やかになりました。しかし、そんな日常はつかの間、七海とましろが空太に告白します。空太はどんな選択をするのか…。

恋とこい

  七海とましろから告白された空太は、仁や千尋に相談します。その中で、千尋が言った言葉が理解できずにいました。

「神田は自分が何に悩んでいるのかを、もう一度考え直した方がいいわよ」

 空太は、もやもやした気持ちで、過ごしていました。そんな中、空太はましろと彼氏彼女になった時のことを想像してみました。そして、「憧れ」だった事に気付きました。
 十代の「憧れ」と「好き」は、ごっちゃになるものです。空太の感情は、その典型的なものでした。

 付き合うことの意味を考える空太は、真面目です。十代の時、私は、こんな真剣に考えた事がなかったけどな(笑)

 

北海道と恋

  北海道に着いてすぐ、空太と七海がデートぽい感じになります。そして、時計台に行きました。そこで、あろうことか、さくら荘の面々がいました。美咲に連れてこられたのでした。


 美咲の行動力半端ないですねよ(笑)
 それに巻き込まれる、伊織と栞奈が不憫ですね。ただ、美咲はこの一言が言いたくて来たのかなと思ってしまいました。

「こーはいくん、大志を抱け、だよ!」

 絶対、これ言いたかっただけだろって思いました(笑)

空太、決断をする

  修学旅行初っ端から七海といちゃついてました。しかし、決断の時がきました。ただイチャイチャしてたのではなく、空太はちゃんと考えていたのです。そう、決して七海とイチャイチャしていただけではないのです…。


 結論から言って、空太はましろを選びました。「憧れ」から「恋」に感情を整理できたってことです。似て非なるものですが、空太はそれをしっかりと区別したのです。
 途中、何度か「憧れ」と「恋」について、自問自答したり、栞奈から指摘されたりとしていた空太、修学旅行中に、悶々としているって…。

 

 それにしても、今回のさくら荘は、まるで少女漫画のような終わり方でした。ライトノベルっぽい感じがない、終わり方だったので、ちょっと驚きました。

 

最後に

  空太は、ましろを選びました。恋愛要素が強くなっていますが、これから「チーム」としてゲーム作りも本格化していきそうな感じもあります。どう両立させるのか気になります。

 


 是非、皆さんも手にお取り下さい。

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