好きだなこの物語~横道世之介~

 大学生になってから知ったこの物語、きっと今の大学に入学しなかったら知ることさえなかった気がする。図書館で見つけて即借りたこの物語は、私にとって「パレード」と「伊豆の踊子」の二つと同じくらい好きな物語となった。

 理由はただ一つ、世之介の生き方が好きだからだ。

 真っ直ぐな感じがした。

 

 

 別に何かの為に武士道が如く死んだわけでもないけれども、男としてカッコイイと感じる部分がある気がした。こんな友達がいたらきっと楽しいだろうなと不覚にも思ってしまったもの。

 友人の引っ越しを手伝うって本当に良い人じゃないとできないと思う。

 思いやりって本当大事だなぁと感じた(笑)

 

 DVDを見ての感想、相変わらず、吉高由里子が可愛いかった。あんなお嬢様がいたら間違いなく惚れてしまうことだろう。「世之介さーん」と呼ぶところが一番可愛い。

 大事なことなので、もう一度、「世之介さーん」と呼ぶところが一番可愛い。

 

 横道世之介の物語でもあるけれども、世之介の周りの人たちの物語でもあることが楽しく感じた要因なのかもしれない。 

 一平と唯の恋のキューピット的な役割だったり、千春や雄介の性格を許容しているところが好きだ。

 別に、同性愛者ではないけれども、この性格は好きだ(笑)

 

 

横道世之介 [DVD]

横道世之介 [DVD]

 

 

そのひとときをもう一度~三日間の幸福~

 過去志向の主人公は、大学生になってまでも小学生の時に好きだった人についてああでもない、こうでもないと考えているだけの毎日。自分の命に価値を見出せず、寿命を買い取ってもらう。何十億もの価値がきっとあると思っていたが、結果は三十万だった。次の日から監視員のミヤギと生活し始める。なんとも羨ましい限りです。 そんな感じで物語は進行していく。 

 

 

 まぁ、自分の命が“三十万”だなんて死にたくなるし、自暴自棄にもなる。プライドが高いと尚更。

 もし自分の寿命の値段がしれたら、その付けられた値段以上の価値を生きているうちにつけさせたいと思う。誰かの決めた基準で付けられた値段なんてあてにならないし(笑)

 全体として重たくて暗い話というよりも、自分の価値って何だろう的なことを考えてしまう哲学的な感じだった(矛盾)。

 

 

 ここで言いたいのは、過去思考はつくづくもったいないと思うってこと。過去志向だと過去が基準で物事を考えるので、未来志向の『あれがあったら便利だよね、よし作ろう!』とエンジニア的な思考が育まれない気がすること。

 『将来こうなったら、楽しいよね』という考えが好きな私からしたら、この物語は、過去志向はなんと怖いことだろう!!と教えられたものとなった。過去志向ってつまらない人生なんだな~と軽く、緩く感じた。

 

 

 それにしても、二十歳ってこんな暗い心情で日々を過ごしたっけとどうでもいいことを考えてしまった。二十歳ってまだまだ目の前に引かれているレールから降りて、違うレールに乗り換えることだってできる。私みたいなに理転して底辺大学で『電磁気とは…』と考えることができるもの。

 ぶっちゃけ、過去にそんなに縛られていても仕方ない気がする…

 

 

三日間の幸福 (メディアワークス文庫)
 

 

外交官かっこよすぎ~アマルフィ女神の報酬~

 かれこれ数年前の青春時代にはまった真保祐一の外交官シリーズの第一弾。英雄ヘラクレスの地で知られているイタリア・アマルフィが舞台の推理小説

 

 中学時代に夢中になっていたものの映画を某プライムビデオで見つけて観賞したが、当時のことを思い出した。例えば、当時の友人やら目標やら、14,15才の淡い体験が頭をよぎった、加えて、戸田恵梨香が可愛いとか……

 

 当時の友人たちはみな、ストレートで大学へ進学し、卒業していった。そして社会人一年目の今年、がむしゃらにもがいている様子がうかがえる。

 片や自分はというと、大学で勉強している毎日。誰かのためにやっていることではなく自己満足のために勤しむ毎日。

 研究職につけるとは思っていないがそれでも心のどこかではと思っている自分がいて気持が悪いことこの上ない(笑)

 

 そんな、どうでもいい心情に浸りながら観ていた。

 

 チェチェン紛争を彷彿させる内容なだけに、外交政策問題を考えるきっかけになったことを思い出した。

 自分の知らぬところで、政策は決まっていて、執行されていたりするものだ。

 別に現行の制度にいちゃもんを付けたいわけではないが、このどこかを支援することは何かしらの影響があることを思い出さなければならない。

 威張るつもりもなく、ただ愚直に日々を送りたいと思った。

 

 

 

森ワールドを堪能~銀河不動産の超越~

 『すべてがFになる』の著者、森博嗣のラブコメ⁉作品。

 無気力すぎる髙橋と愉快な仲間たちとの物語。特に事件が起こることはないが、会社で出会うお客さんはどの人も個性が強い者ばかり。

 自然と髙橋の周りには変わり者が集まり、離れていったと思うと、また集まっていたりする。「幸せを築こうとする努力」の果てにある結果には少しほっこりとする。

 

 人とのつながりが自分を成長させているそんなことを感じた。自分が思っているよりも人との関わりが大きく人生に作用している。とりとめのない出来事を通して出会う人こそ、将来ずーと長く付きあう気がする。狙って出会った人とはその時だけの付き合いで終わってしまう。それはそれで良いのかもしれないが、せっかくだったら長く付き合い、人とは何ぞや的な哲学的意味を理解するのも良いと思う……

 

 

好きor嫌い~天上の音楽~

 『天上の音楽』を読み終えて、思ったことは、これが映画になったら面白そうだということ。 別に天音役が橋本愛じゃなくても実写化希望です。

 音楽一家の家族再生物語、結局は、家族は大事だよねって物語。

 主人公以外はみんな音楽に生き、音楽中心に生活が成りたっている。自分だけがのほほんと消費していく毎日。

 片や天音は、睡眠、食事を削ってピアノを弾く毎日。

 姉弟でこんなに対称的だと、読んでいていたたまれない。

 一番印象的な場面は、天音が母親の葬式に行かなかったときの心情を吐露するところだ。

「でも行かなかった。意味がないと思ったから」

 形式だけ哀しんでみせるなんてことできないから

「だから発表会に出たの。そうしたら、周りの人たちからは病気だって言われた。変だって」

  まさしく、天才って感じの天音。ピアノを究める覚悟にハッとさせられた。小説だしフィクションだけども、この覚悟はすごい。

 音楽が題材のものは、感動が切っても切り離せないぐらいセットになっているように感じるが、この物語はそんなことなかった。

 父と天音との距離がぎこちない、だけれども、ドロドロ(死にたくなる程)とし過ぎていない。重すぎない物語として素直に楽しめた。

 

 

天上の音楽 (メディアワークス文庫)

天上の音楽 (メディアワークス文庫)

 

 

突然の目覚め~美しい星~

 突然、家族の誰かが『私は宇宙人だ』と言い出したら驚くことだろう。しかもそれが家族全員が違う星の生まれだという。最初はそんな馬鹿げたことと真に受けないはずだ。

 だけど、次の日には、兄弟が『私は宇宙人だった』といい、はたまた次の日には自分が『私は宇宙人だ』と自覚する。そして、最終的には、『我々は違う星の生まれの家族だが、地球を救う使命がある』と思い込み、生活の基準が地球救済だけになっていく。

 最初、三島由紀夫がこんなSFちっくなものを書いているとは、思いもよらなかった。SFなんだけども思想小説的なところもある。宇宙人の自我に目覚めた家族の生き方と悟ることで地球の日常を客観視している毎日。

 選民思想の愚かさと現代社会に対する批判が書かれている。この小説の面白いところは、最終的には個人的な問題が大きく自分の生活を支配していくことだ。父親の重一郎は病気のこと、娘の暁子は妊娠、一雄は親しくしていた人からの裏切り、母親の伊余子は重一郎の病気を家族の最後に知ったことの劣等感に近い敗北感。

 地球の救済どころか、個人レベルの問題に振り回されている大杉一家の面々。

 精神は、宇宙人どころか普通の人と変わらないところが面白い。

 

 結局のところ、人は些末なことに心が揺さぶられて、後から振り返ると人生に大きく影響していたりする。精神的に大人びている大杉一家はきっとその崇高な精神(自分は宇宙人という自覚)を持ってるから……

 きっと人生を楽しめていないことだろう。

 

 映画観に行きたいな~(笑)

美しい星 (新潮文庫)

美しい星 (新潮文庫)

 

 

これぞSFラブコメ~世界、それはすべて君のせい~

 ある日、大学の映画サークルで活動する貴希は、語学のクラスで一緒のお嬢様・村瀬真葉と言い合いになる。真葉の高飛車な態度が原因だった。教授の仲裁もあり、その場で収まる。

 それから数日後に真葉は、何事もなかったかのように貴希のもとに「サークルに参加させてほしい」と来る。どの面下げて来たんだよと、貴希は思う。しかし友人たちは、噂とかけ離れた真葉の優しい態度と才能溢れる自作の脚本もあって、歓迎的。

 結局、貴希が折れて、真葉を迎えいれて、真葉の脚本で映画を制作し始める。貴希は、撮影を追うごとに真葉の優しい態度に惚れていく。そして、告白する。しかし、物語はそんなうまくは出来ていなくて振られる。真葉が振ったのには理由があった。

 「私、実は平行世界から来ているんだ」みたいな感じで(笑)

 普通の人だったら、何をこの人はおっしゃっているのだろうか?とクエスチョンマークが数個は頭に浮かぶことだろう。衝撃の事実を告げられるも頭が理解する前に真葉は「もう滞在時間がないんです!」と自分の世界へと帰る。

 それから貴希は何度も頭の中で咀嚼して事実を受け入れたことだろう。大学を中退して理学系学部に入り直す。並行世界について研究し、もう一度真葉に会うんだ!!と物語は終幕。

 真葉の物語=映画の脚本

 なんともシンプルだけれども、それが良い。何よりも結末が良い、真葉は自分の世界に帰り、貴希と真葉は結ばれなかったところだ。

 

 何よりも、真葉の別れの手紙

 ねえ、一緒に見たストロベリームーンを覚えている?わたしもあなたも、きっと幸せになるんだよ。夏目漱石の言葉。”僕は死ぬまで進歩するつもりでいる。”これをわたしは実践して生きていくつもり。

 

 この言葉できっと、貴希は法学部を辞めて、理学系学部に入ることを決断したことだろう。

 

世界、それはすべて君のせい (集英社オレンジ文庫)

世界、それはすべて君のせい (集英社オレンジ文庫)