三流大学、理系学生が読んだ書物を語る

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お金について学ぶ~20代のいま、やっておくべきお金のこと~

 今回は、「20代のいま、やっておくべきお金のこと」について、感想を綴ります。

 

はじめに

 著者は、中村芳子さんです。経済評論家として有名な方です。

 

中村 芳子は、日本の経済評論家、ファイナンシャル・プランナー。 長崎市生まれ。早稲田大学商学部卒。大手電気メーカーに就職するが、翌年社員5人のFP会社に転職。1991年にアルファアンドアソシエイツを設立、代表。個人向けの家計相談、執筆、講演などを行う。
出典:中村芳子 (経済評論家) - Wikipedia

 

こんな本です~「20代のいま、やっておくべきお金のこと」~

 「お金」について、無理のない生活を軸に20代でやっておくべきことが紹介されています。結婚、住宅ローン、資産運用、各種保険など広く、そして具体的な指針が示されています。将来、お金で困らない無理のない生活を実現させたい方におすすめの本です。

 

お金に対する考え方

 

  • 買い物
  • 投資
  • 貯金
  • 保険
  • ローン

 

 上記の5つの柱に対するセンスを磨く必要があります。買い物は、大きな買い物から日常生活での小さな買い物のこと、投資は、金融商品から自己投資のような広義の投資のこと、貯金は、使うための貯金と殖やすための貯金の二種類ある貯金のこと、保険は、自動車保険や健康保険などのこと、ローンは、ローンでの買い物や仕組みのこと、これらのセンスを磨き、お金に対する考え方を20代で磨いていくことを説いています。

 

お金のセンスを磨く

 著者の中村さんは、冒頭でお金のセンスを磨くことが重要だと言ってます。お金に対する考えを変えることで、将来を意識した使い方、貯金、資産運用が実現できるとしています。詳細は読んでいただきたいので割愛しますが、簡単にいうと、将来を意識した使い方をすることです。10年後、20年後、自分がどのような生活を過ごしたいか、青写真を基に行動することです。

 

 私は、お金のセンスを磨くとはお金の使い方を磨くことだと思います。実現したい理想の生活のために、貯金、ローン、投資、買い物を軸に自分の性格と現状を考慮した適切な選択ができる力を言うのだと思います。適切な選択がきるようになるには、若いうちに、様々なことを経験すると同時に、正しい知識(保険やローンの組み方など)を付けていくことだと感じました。

 

仕事とお金の使い方

 20代は、一芸を磨く時期で、どのような会社に転職してもその一芸が通用するように努力する必要があります。そのための自己投資として、英会話なども必要だとしています。20代の給与は、奨学金を返済している方からすると極めて低いです。ぎりぎりの生活でも、給与の一割程度は、自己投資に回すように示しています。そして、一芸を究める血肉とすることをすすめています。

 

仕事を教えてくれて、その上給料もくれる。会社はとてもありがたい!

 

 こんな言葉が出てきました。確かにそうだなと思います。私の場合は、エンジニアなので、表に出てこないような技術や知識にアクセスする機会があるのは、間違いなく、将来の自分に投資していることになります。外部の勉強会に参加したり、英会話に行ったり、自己投資と仕事を通して、お金の使い方を磨くことになります。

 

最後に

 お金に対する考え方や諸々の詳しい仕組みについては、義務教育などでは教わりません。ネットや本で学ぶしかありません。そんな中、この「20代のいま、やっておくべきお金のこと」はお金に対するリテラシーを高める助けになりました。

 

 是非、皆さんも手にお取り下さい。

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伝えることが楽しくなる~一番伝わる 説明の順番~

 今回は、「一番伝わる 説明の順番」について、感想を綴ります。

 

はじめに

 著者は、田中耕比古さんです。長年、戦略コンサルタント業務に従事されている方です。「数字力×EXCELで最強のビジネスマンになる本(翔泳社)」、「デキる人が「当たり前」に身につけている! 仕事の基礎力(すばる舎)」などで有名な方です。

 

2000年、関西学院大学総合政策学部卒業。アクセンチュア株式会社 戦略グループ、日本IBM株式会社 Business Analytics & Optimization のコンサルティング部門を経て、2012年より現職。
ギックスの掲げる「考える総量の最大化」というビジョンの実現に向け、製造、金融、医薬、通信、流通・小売などの多様な業界の、事業戦略立案からSCM改革、業務改革、人材育成にいたるまで幅広い領域で、”思考支援”型のコンサルティングに従事。
出典:役員略歴 | GiXo Ltd.

 

こんな本です~「一番伝わる 説明の順番」~

 相手に用件を伝えるとき、思うように伝わらず、「結局、何が言いたいの?」と聞き返されてしまったという経験は、誰しもあることです。自分では、伝えているつもりだけど、相手には、伝わっていなかった。プレゼンや会議、日常でのちょっとした説明をする時などで往々にしてあります。「何をどの順番で話すか」を意識するだけで相手からの反応は大きく変わります。「順番」に焦点を当てた、相手を納得させるためのテクニック本です。

 

「説明する」を理解する

 説明を得意にするためには、説明が下手な人の特徴を理解することが重要です。説明が下手な人とは、以下の特徴があります。

 

  • 考えた順番で説明する
  • 難解な言葉の多用
  • 言いたいこと(本質)を本人が理解できていない

 

 1番目の「考えた順番で説明する」ことは、必ずしも「相手が理解しやすい順番」であるとは、限らないことを言ってます。2番目の「難解な言葉の多用」は、専門家や研究者が陥りやすい説明の仕方です。相手を自分と同じ土俵の人間とした前提で説明している人のことを言ってます。3番目の「言いたいこと(本質)を本人が理解できていない」は、そもそも本人が理解できていないので、フワッとした話しかできていない状態の人を言います。

 

 これらの特徴から、私は、説明が下手な人とは説明するときのテクニック以前の説明する過程をしっかりと考え抜いていない人を指すのかと感じました。相手が理解しやすい方法(順番)で、自分の主張を納得させる。そして、相手を動かす。あくまでもゴールは、相手を動かすことです。そのための手段として、「説明する」という行為があることを忘れてはいけないのだと感じました。

 

説明の順番

 一般的に「結論から話す」ことがシンプルだとされています。しかし、その前に行うことがあります。それは、「相手の思考を理解すること」です。相手の思考レベルを知り、理解度と説明レベルを設定します。その上で、結論から話すという行為が成り立ち、相手の理解が進みます。

 

  • 相手の思考を理解する
  • その上で、伝達事項をまとめる
  • フレームワークに落とし込む(結論、主張、本質)

 

 「相手の思考を理解する」、その上でフレームワークに落とし込むのは、「1分で話せ」の伊藤さんも言ってます。重要な要素であることが分かります。この「相手の思考を理解する」のが1番難しいことは明白です。人は、無意識に難しいことを避けてしまいがちです、そして、自分が考えた順番で説明をしてしまうのだな、と腑に落ちました。

 

思考の整理

 結論から言うと、相手の思考に合わせて説明することが重要です。相手の思考を整理し、自分が説明したい事柄、自分の思考を整理することで、情報の伝達が可能になります。相手と自分の思考の整理し、まとめる。その上でフレームワークに落とし込む。これが説明する順番となります。

 

 相手の思考を理解し、整理する。そして、自分の思考を整理して、説明する順番を整えます。そこに、フレームワーク、ロジック、図、数値が掛け合わさります。目的がすり替わらないように思考を詰めていく過程は、高尚な行為だと感じます。結局、説明が伝わるように考え抜く力が必要だと言えます。根底にあるのは、「考え抜く力」であると思うとこれを身に付けることも重要だなと感じました。

 

最後に

 「一番伝わる 説明の順番」は、テクニック本であると同時に、説明することについて、本質を説いています。相手の思考と自分の思考を整理することがいかに難しいか痛感させられた一冊になりました。

 

 是非、皆さんも手にお取り下さい。

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理想の日々~工作少年の日々~

 今回は、「工作少年の日々」について、感想を綴ります。

 

はじめに

 著者は、森博嗣さんです。「すべてがFになる」、「スカイ・クロラ」などで有名な方です。また、元工学研究者です。

 

森 博嗣は、日本の小説家、同人作家、工学博士。元名古屋大学助教授。ローマ字表記はMORI Hiroshi。妻はイラストレーターのささきすばる。近年は、清涼院流水が立ち上げたプロジェクト「The BBB」に参加し、英語版の著作を発表している。
出典:森博嗣 - Wikipedia

 

こんな本です~「工作少年の日々」~

 理工系ミステリィ作家らしい?生活(洗濯機の話やミニチュア鉄道など)から小説の創り方や人生観まで語られています。モノづくり中心のエッセイ集です。森博嗣ファンでない方でも楽しめるエッセイです。

 

モノづくり愛

 モノづくり愛溢れるエッセイ集で、森先生の日常が垣間見えます。洗濯機の話は、モノづくり好きな人には、あるある話だと思います。壊れているところを自分で直そうとして、分解するも元に戻すとき、なぜだか元に戻らない。しかもそれを何度か繰り返してしまう。モノづくりが好きだからこそ、この行為がやめられない。いつかは、しっかりと構造を理解して、自分で直せるときがくるかもしれない…、と思うから。

 

 森先生の面白いところは、このモノづくり愛溢れる話でも、きっちりと執筆時の情勢をサラッと語っているところです。普通の人だったら、洗濯機の話と社会性、一緒に語ろうとは思わないところに触れているのは、面白いです。

 

設計図とプロット

 「僕の小説の書き方」という章では、小説の書き方について、どのように創作しているか語られています。ここでも面白いことに、モノづくりを中心に本題に触れているところです。

 

 モノづくりでは、必ず設計図や製図のように枠を設けます。そして、各工程で人に任せて、効率化を図ります。誰に任せても同じように完成することを目指すからです。しかし、創作では、この枠を設ける行為がマイナスになると指摘しています。結論から言って、行き当たりばったりな創作をしているそうです。自分には、そちらの方が向いていると言います。

 

 そして、アートとデザインという言葉を用いて、非常に面白いことを言っています。

 

百点を超えるためにいは、設計図にはない発想が必要であり、そこに残された活路こそ、アート的視点だろう。

 

 経済的発展をして、機能的には満足のいくモノが溢れているからこそ、差別化を図るには、設計図にはない発想が必要です。これを指摘しているのです。アートとデザインについて、詳しい話は読んでいただきたいので、割愛しますが、この章が1番、森先生の思考と本質が語られているように感じます。

 

モノづくり的な思考

 小説を書くときの心情として、以下のように言ってます。

 

考えたものをだらだらと吐き出したら、もうできている。

 

 小説は何でもありだと言います。文体というものは気にしなくていいものだとも言ってます。だから、お金のかからないモノづくりだという認識だそうです。考え方次第で、成果物を生み出してしまうのは、すごいとしか言いようがないですね。小説を書き始めたきっかけが、モノづくりをするためというのが何とも面白いですね。

 

最後に

 モノづくりが中心の生活が、面白い作品を生み出していると思うと、すごいですね。また、アートとデザインの話は、思考の一端を垣間見えて非常にためになりました。

 

 是非、皆さんも手にお取り下さい。

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【まとめ】おすすめのメディアワークス文庫

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はじめに

 

 ここでは、おすすめのメディアワークス文庫を紹介しています。

 

青春編

 

1.Just Because!

 鎌倉・藤沢を舞台にした青春群像劇です。高校生活残り三ヶ月、中学生の時に福岡に引っ越したけど、大学進学を機にまた地元・鎌倉に戻ってきた瑛太が、かつての野球友達、好きだった人、に再会する。止まっていた「青春」が動き出します。

 

 青春小説好きの方には、おすすめの一冊です。

 

2.天上の音楽

 高校2年の秋月上総は、13年離れていた父親と姉と暮らし始める。家族の距離感はぎこちなくて、姉の天音からは、「あなたのこと弟なんて思っていない」と言われてしまう。音楽と家族がテーマの青春小説です。

 

3.初恋ロスタイム

 ある日、時間が静止していることに気がついた、相葉孝司は、同じく静止した世界で動いている篠宮時音と出会う。二人は、静止した時間で共に過ごすうちに、静止した世界の謎を解いていきます。その原因は、時音にあったのでした。

 

 SF系青春小説です。恋愛とSFが掛け合わさった物語です。

 

大人編

 

1.ちょっと今から仕事やめてくる

 ブラック企業に勤めている隆は、無意識に線路に飛び降りようとします。ヤマモトと名乗る同級生の男が助けてくれて、事なきを得ます。隆は、ヤマモトと話すうちに、会社を辞める決心をします。そして、ヤマモトと時間を過ごすうちに、同級生のヤマモトではないことが分かり…。

 

 仕事系ライトノベルです。メディアワークス文庫では珍しいジャンルです。

 

2.チョコレート・コンフュージョン

 バレンタイン、残業で仕事に疲れたOL千紗は、社内で恐れられている龍生に助けられる。後日、お礼で義理チョコを渡すと、勘違いされて告白されてしまう。二人は、ぎこちないまま付き合い始め…。

 

 働く女性が主人公の恋愛小説です。

 

3.トーキョー下町ゴールドクラッシュ!

 伝説の女トレーダー・橘立花は罠に嵌められます。身に覚えのない罪を着せられ、勤めていた証券会社からクビを宣告され、下町を徘徊します。そこで出会ったフリーターや洋食店店主など、生粋の江戸っ子たちと出会う。そして、自分が罠に嵌められた理由を知り…。

 

 金融ミステリに近いジャンルです。一度読み始めるとページをめくる手が止まりません。

社会の変革~デジタルネイチャー~

 今回は、「デジタルネイチャー」について、感想を綴ります。

 

はじめに

 著者は、落合陽一先生です。大学の先生でありながら、様々な活動をされている方です。

 

落合 陽一は、日本の研究者、大学教員、博士、メディアアーティスト、実業家。ピクシーダストテクノロジーズ株式会社 代表取締役社長、筑波大学 学長補佐・デジタルネイチャー推進戦略研究基盤 基盤長・図書館情報メディア系 准教授 デジタルネイチャー研究室主宰。ワタナベエンターテインメント所属。
出典:落合陽一 - Wikipedia

 

こんな本です~「デジタルネイチャー」~

 近年、技術が指数関数的に発展しています。その速度は、もはや人の認識を超えるところまで来ています。認知を超えるというのは、現在定義されている常識やルールを踏まえた上での、「認知」を超えるということです。この認知をデジタルネイチャーという思想で時代に適応していくことを説いているのが、この「デジタルネイチャー」です。

 

計算機が創る未来

 計算機が創る未来は、現代の二項対立「人」と「自然」のような垣根を取り払う可能性を持っています。価値観や主義が大きく変わり、計算機が創る自然が当たり前になる、かもしれない。計算機が創る「自然」は、エンジニアや仕組みを知る者以外からは、「魔法」のように思えるかもしれない。そんな未来が来るであろう、と落合先生は言ってます。

 

 上記の世界は、当然ですが、量子化技術を自然と区別がつかないレベルまで発展させてこそ、具現化できるものです。そこに、人の認識が合わさることで、計算機が創る自然を認識できるようになります。擬似的な自然を人間が創ることができるのか、楽しみであると同時に、少しコワイ気もしますね。あまりにも未知だと想像がつかないので。

 

多様性が当たり前に

 計算機が創る未来では、「多様性」という言葉は死語になり、マスに適応した社会制度になる。身体的な制限がある人と、制限のない人…、など現代では、「差」として認知されている様々な制限は、制限として認知されることがなくなります。このような社会が来るであろうと言います。

 

 簡単に言うと、価値観が変化するということです。価値観が変化するということは、様々なところで新しい認識を生みます。これが、どのような方向に転ぶかは、分からないですが、画期的なことではありますね。

 

誰が計算機を発展させるのか

 結局、これらの計算機が創る「自然」が生まれるには、人の努力が必要です。そして、AIやロボットが人の作業を担うなど、数値化できる概念に落とし込むことが不可欠です。一部の優秀な方々が、作ったモノの上にこのような社会が成り立つでしょう。だからこそ、開かれた(オープンな)土台で、様々な分野の人たちが、創りあげていくことが望ましいのかもしれないです。

 

 オープンな土台は、落合先生が指摘していますが、資本主義と密接です。ここが変われば、アップルやグーグルとは別に日本が牽引できる可能性もあります。難しいですが、やりがいはありそうですね。

 

最後に

 落合先生というと、頭が良過ぎて、何を言っているのか分からない印象が強いです。しかし、日本再興戦略とデジタルネイチャーを読み、思考の一端を知れたので、少しは理解できたような気がしました(笑)

 

 是非、皆さんも手にお取り下さい。

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